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August 17, 2017 Vol. 377 No. 7

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オンポンプ冠動脈バイパス術とオフポンプ冠動脈バイパス術の術後 5 年の成績
Five-Year Outcomes after On-Pump and Off-Pump Coronary-Artery Bypass

A.L. Shroyer and Others

背景

冠動脈バイパス術(CABG)は,人工心肺装置を用いて(オンポンプ),あるいは用いずに(オフポンプ)施行されることがある.われわれは,オンポンプ CABG とオフポンプ CABG とを比較する退役軍人省の試験に登録された患者の,術後 5 年の臨床成績を報告する.

方 法

2002 年 2 月~2007 年 6 月の期間に,18 の医療機関で 2,203 例を,オンポンプ CABG を施行する群とオフポンプ CABG を施行する群に無作為に割り付けた.術後 1 年の評価は 2008 年 5 月までに終了した.術後 5 年の主要評価項目は,全死因死亡と,主要有害心血管イベントの複合転帰の 2 項目とした.主要有害心血管イベントは,全死因死亡,再血行再建(CABG または経皮的冠動脈インターベンション),非致死的心筋梗塞と定義した.術後 5 年の副次的評価項目は,心臓が原因の死亡,再血行再建,非致死的心筋梗塞などとした.P 値は主要評価項目で 0.05 以下,副次的評価項目で 0.01 以下と設定し,評価した.

結 果

5 年死亡率はオフポンプ群が 15.2%であったのに対し,オンポンプ群は 11.9%であった(相対リスク 1.28,95%信頼区間 [CI] 1.03~1.58,P=0.02).主要有害心血管イベントの 5 年発生率はオフポンプ群が 31.0%であったのに対し,オンポンプ群は 27.1%であった(相対リスク 1.14,95% CI 1.00~1.30,P=0.046).術後 5 年の副次的評価項目に有意差は認められず,非致死的心筋梗塞の発生率はオフポンプ群 12.1%,オンポンプ群 9.6%であり(P=0.05),心臓が原因の死亡の発生率はそれぞれ 6.3%と 5.3%(P=0.29),再血行再建の施行率は 13.1%と 11.9%(P=0.39),再 CABG の施行率は 1.4%と 0.5%であった(P=0.02).

結 論

今回の無作為化試験では,オフポンプ CABG により,術後 5 年の生存率と無イベント生存率がオンポンプ CABG よりも低くなった.(退役軍人省 研究開発共同研究プログラム事務局ほかから研究助成を受けた.ROOBY-FS 研究:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01924442)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 623 - 32. )