進行腎細胞癌におけるニボルマブ+イピリムマブとスニチニブとの比較
Nivolumab plus Ipilimumab versus Sunitinib in Advanced Renal-Cell Carcinoma
R.J. Motzer and Others
予備的研究では,進行腎細胞癌患者にニボルマブとイピリムマブを併用することで客観的奏効が得られた.この第 3 相試験では,未治療の淡明細胞型進行腎細胞癌に対するニボルマブ+イピリムマブを,スニチニブと比較検討した.
成人患者を,ニボルマブ(3 mg/kg)+イピリムマブ(1 mg/kg)を 3 週ごとに 4 回静脈内投与した後にニボルマブ(3 mg/kg)を2 週ごとに投与する群と,スニチニブ(50 mg)を(6 週間のサイクルのうち)4 週間,1 日 1 回経口投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.複合主要評価項目は,予後予測分類が中リスクまたは高リスクの患者の全生存(有意水準α=0.04),客観的奏効率(α=0.001),無増悪生存(α=0.009)とした.
1,096 例がニボルマブ+イピリムマブ群(550 例)とスニチニブ群(546 例)に割り付けられ,予後予測分類が中リスクまたは高リスクであったのはそれぞれ 425 例と 422 例であった.中リスクまたは高リスクの患者では,追跡期間中央値 25.2 ヵ月の時点での 18 ヵ月全生存率はニボルマブ+イピリムマブ群 75%(95%信頼区間 [CI] 70~78),スニチニブ群 60%(95% CI 55~65)であり,全生存期間中央値はニボルマブ+イピリムマブ群では未到達であったのに対し,スニチニブ群では 26.0 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.63,P<0.001).客観的奏効率は 42%に対し 27%(P<0.001),完全奏効率は 9%に対し 1%であった.無増悪生存期間の中央値はそれぞれ 11.6 ヵ月と 8.4 ヵ月であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.82;P=0.03,事前に規定した閾値は P=0.009 のため有意差ではない).治療関連有害事象はニボルマブ+イピリムマブ群 547 例中 509 例(93%),スニチニブ群 535 例中 521 例(97%)に発現し,グレード 3 または 4 の事象はそれぞれ 250 例(46%)と 335 例(63%)に発現した.投与中止にいたった治療関連有害事象の発現率は,ニボルマブ+イピリムマブ群 22%,スニチニブ群 12%であった.
未治療の進行腎細胞癌で,予後予測分類が中リスクまたは高リスクの患者では,ニボルマブ+イピリムマブのほうがスニチニブよりも全生存率と客観的奏効率が有意に高かった.(Bristol-Myers Squibb 社,Ono Pharmaceutical 社から研究助成を受けた.CheckMate 214 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02231749)