小児期から成人早期までの過体重の変化と 2 型糖尿病リスク
Change in Overweight from Childhood to Early Adulthood and Risk of Type 2 Diabetes
L.G. Bjerregaard and Others
小児期の過体重は,成人期の 2 型糖尿病リスクが高いことと関連する.成人早期までに過体重が解消されることで,このリスクが低下するかどうかを検討した.
7 歳時,13 歳時,成人早期(17~26 歳)に体重と身長の測定が行われたデンマーク人男性 62,565 例を対象に研究を行った.過体重の定義は,米国疾病管理予防センター(CDC)の基準に従った.国の保健登録データから 2 型糖尿病状態に関するデータ(30 歳以上の時点,6,710 例)を入手した.
7 歳時の過体重(62,565 例中 3,373 例,5.4%),13 歳時の過体重(62,565 例中 3,418 例,5.5%),成人早期の過体重(62,565 例中5,108 例,8.2%)は 2 型糖尿病リスクと正の関連を示し,過体重であった年齢が高いほど,また,2 型糖尿病の診断時年齢が低いほど関連は強かった.13 歳までに過体重が解消した男性が 30~60 歳で 2 型糖尿病と診断されるリスクは,過体重であったことがない男性と同程度であった(ハザード比 0.96,95%信頼区間 [CI] 0.75~1.21).過体重であったことがない男性と比較すると,7 歳時,13 歳時に過体重であったが成人早期には過体重でなかった男性は 2 型糖尿病リスクが高かったが(ハザード比 1.47,95% CI 1.10~1.98),過体重が持続した男性と比較すると低かった(ハザード比 [過体重が持続した男性 対 過体重であったことがない男性] 4.14,95% CI 3.57~4.79).7 歳から成人早期のあいだの体格指数(BMI)の上昇は,7 歳の時点では標準体重であった男性でも,2 型糖尿病のリスクが高いことと関連した.
7 歳時の小児過体重は,過体重が思春期以降も持続した場合のみ,成人 2 型糖尿病のリスクが高いことと関連した.(欧州連合から研究助成を受けた.)