原発性胆汁性胆管炎に対するベザフィブラートのプラセボ対照試験
A Placebo-Controlled Trial of Bezafibrate in Primary Biliary Cholangitis
C. Corpechot and Others
ウルソデオキシコール酸療法では効果が不十分な原発性胆汁性胆管炎患者は,進行のリスクが高い.ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体作動薬であるフィブラート系薬をウルソデオキシコール酸に併用することで,この状態の患者に利益がもたらされる可能性が示されている.
24 ヵ月間の二重盲検プラセボ対照第 3 相試験で,パリ基準 II でウルソデオキシコール酸による治療効果が不十分であった100 例を,ウルソデオキシコール酸投与の継続に加え,ベザフィブラート 400 mg/日を投与する群(50 例)とプラセボを投与する群(50 例)に無作為に割り付けた.主要転帰は生化学的完全奏効とし,24 ヵ月の時点での総ビリルビン値,アルカリホスファターゼ値,アミノトランスフェラーゼ値,アルブミン値,プロトロンビン指数(プロトロンビン時間から算出される指標)が正常であることと定義した.
主要転帰は,ベザフィブラート群の 31%で発生し,プラセボ群では 0%であった(差 31 パーセントポイント,95%信頼区間 10~50,P<0.001).アルカリホスファターゼ正常値は,ベザフィブラート群の 67%とプラセボ群の 2%に観察された.瘙痒,疲労,肝線維症の非侵襲的評価指標(肝硬度や拡張肝線維化 [ELF] スコアなど)の変化は,主要転帰の結果と一致していた.各群 2 例が末期肝疾患の合併症を有していた.クレアチニン値は,ベザフィブラート群ではベースラインから 5%上昇し,プラセボ群では 3%低下した.筋肉痛がベザフィブラート群の 20%とプラセボ群の 10%に発生した.
ウルソデオキシコール酸単独では治療効果が不十分であった原発性胆汁性胆管炎患者において,ウルソデオキシコール酸にベザフィブラートを併用することで,プラセボを併用するよりも有意に高い生化学的完全奏効率が得られた.(臨床研究病院プログラム,Arrow Génériques 社から研究助成を受けた.BEZURSO 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01654731)