The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 22, 2018 Vol. 378 No. 8

成人および小児の TRK 融合遺伝子陽性癌に対するラロトレクチニブの有効性
Efficacy of Larotrectinib in TRK Fusion–Positive Cancers in Adults and Children

A. Drilon and Others

背景

3 種類のトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)の 1 つが含まれる融合遺伝子は,小児と成人のさまざまな癌にみられる.われわれは,このような融合遺伝子陽性の腫瘍を有する成人と小児を対象に,高選択性 TRK 阻害薬ラロトレクチニブ(larotrectinib)の有効性と安全性を評価した.

方 法

各施設でルーチンに行われている分子プロファイリングにより TRK 融合遺伝子陽性癌が連続的かつ前向きに同定された患者を,次の 3 つのプロトコールのいずれかに登録した:成人を対象とした第 1 相試験,小児を対象とした第 1・2 相試験,思春期児と成人を対象とした第 2 相試験.独立判定委員会による全奏効率を,統合解析における主要評価項目とした.奏効期間,無増悪生存,安全性などを副次的評価項目とした.

結 果

生後 4 ヵ月~76 歳の患者 55 例を登録し,投与を行った.患者には,17 種類の特異な TRK 融合遺伝子陽性腫瘍が認められた.独立判定委員会による全奏効率は 75%(95%信頼区間 [CI] 61~85),試験医師の評価による全奏効率は 80%(95% CI 67~90)であった.1 年の時点で,奏効例の 71%で奏効が持続しており,全患者のうち 55%が無増悪を維持していた.奏効期間中央値と無増悪生存期間中央値は未到達であった.追跡期間中央値 9.4 ヵ月の時点で,奏効例の 86%(44 例中 38 例)が投与を継続しているか,根治目的の手術を受けていた.有害事象の多くはグレード 1 であり,試験医師がラロトレクチニブに関連すると判定したグレード 3 または 4 の有害事象の発現率は 5%未満であった.薬剤関連有害事象によりラロトレクチニブを中止した患者はいなかった.

結 論

TRK 融合遺伝子陽性癌患者において,ラロトレクチニブは,患者の年齢や腫瘍の種類にかかわらず,著明かつ持続的な抗腫瘍活性を示した.(Loxo Oncology 社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02122913,NCT02637687,NCT02576431)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 731 - 9. )