The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 21, 2018 Vol. 378 No. 25

エクストラバージンオリーブオイルまたはナッツを加えた地中海食による心血管疾患の一次予防
Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts

R. Estruch and Others

背景

地中海食の遵守と心血管リスクとのあいだの負の相関が,観察コホート研究と二次予防試験で示されている.

方 法

スペインで多施設共同試験を行い,心血管リスクが高いが,登録時には心血管疾患を有しない被験者 7,447 例(55~80 歳,女性 57%)を,エクストラバージンオリーブオイルを加えた地中海食,ミックスナッツを加えた地中海食,対照食(食餌脂肪を減らすよう助言)のいずれかに割り付けた.被験者は,3 ヵ月ごとに教育セッションを受け,割付け群ごとに無料のエクストラバージンオリーブオイル,ミックスナッツ,食物以外の小さなギフトを受け取った.主要エンドポイントは主要心血管イベント(心筋梗塞,脳卒中,心血管系の原因による死亡)とした.この試験は,事前に規定した中間解析に基づき,追跡期間中央値 4.8 年の時点で中止された.われわれは,2013 年に本誌で主要エンドポイントの結果を報告した.その後,同じ家庭内の被験者が無作為化されずに登録されていた,11 ヵ所の試験施設のうち 1 ヵ所で一部の被験者が無作為化されずに 1 つの群に割り付けられていた,別の施設では割付け表の使用に一貫性がなかったなど,プロトコールからの逸脱が確認された.われわれは,前回発表した報告を取り下げ,今回,全被験者が無作為に割り付けられたという仮定に限定しない解析に基づく修正後の効果推定値を報告する.

結 果

主要エンドポイントのイベントは 288 例に発生し,内訳は地中海食+エクストラバージンオリーブオイル群で 96 件(3.8%),地中海食+ナッツ群で 83 件(3.4%),対照群で 109 件(4.4%)であった.全被験者を対象とし,ベースライン特性と傾向スコアで補正した intention-to-treat 解析では,対照食に対するハザード比は,地中海食+エクストラバージンオリーブオイルで 0.69(95%信頼区間 [CI] 0.53~0.91),地中海食+ナッツで 0.72(95% CI 0.54~0.95)であった.試験群への割付けに関してプロトコールからの逸脱が判明した,または疑われた 1,588 例を除外した解析でも同様の結果が得られた.

結 論

心血管リスクの高い人を対象とした試験で,主要心血管イベントの発生率は,エクストラバージンオリーブオイルまたはナッツを加えた地中海食群のほうが,低脂肪食群よりも低かった.(カルロス 3 世保健研究所,スペイン保健省ほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN35739639)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : e34 - 0. )