The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 20, 2018 Vol. 379 No. 25

膵癌に対する術後補助療法としての FOLFIRINOX とゲムシタビンとの比較
FOLFIRINOX or Gemcitabine as Adjuvant Therapy for Pancreatic Cancer

T. Conroy and Others

背景

転移性膵癌患者では,フルオロウラシル,ロイコボリン,イリノテカン,オキサリプラチンを用いる併用化学療法(FOLFIRINOX)によって,ゲムシタビン療法よりも全生存期間が延長する.われわれは膵癌切除患者において,術後補助療法としての修正 FOLFIRINOX レジメンの有効性と安全性をゲムシタビンと比較した.

方 法

膵管腺癌切除患者 493 例を,修正 FOLFIRINOX レジメン群(オキサリプラチン [85 mg/m2 体表面積],イリノテカン [180 mg/m2,プロトコールで規定した安全性解析後は 150 mg/m2 に減量],ロイコボリン [400 mg/m2],フルオロウラシル [2,400 mg/m2] を 2 週ごとに投与)と,ゲムシタビン群(1,000 mg/m2 を 4 週ごとに 1,8,15 日目に投与)に無作為に割り付け,24 週間投与した.主要評価項目は無病生存期間とした.副次的評価項目は全生存期間,安全性などとした.

結 果

追跡期間中央値 33.6 ヵ月の時点で,無病生存期間中央値は,修正 FOLFIRINOX 群で 21.6 ヵ月,ゲムシタビン群で 12.8 ヵ月であった(癌関連イベント,二次癌,または死亡の層別化ハザード比 0.58,95%信頼区間 [CI] 0.46~0.73,P<0.001).3 年無病生存率は,修正 FOLFIRINOX 群で 39.7%,ゲムシタビン群で 21.4%であった.全生存期間中央値は,修正 FOLFIRINOX 群で 54.4 ヵ月,ゲムシタビン群で 35.0 ヵ月であった(死亡の層別化ハザード比 0.64,95% CI 0.48~0.86,P=0.003).3 年全生存率は,修正 FOLFIRINOX 群で 63.4%,ゲムシタビン群で 48.6%であった.グレード 3 または 4 の有害事象は,修正 FOLFIRINOX 群の 75.9%とゲムシタビン群の 52.9%で発現した.ゲムシタビン群の 1 例が毒性(間質性肺炎)により死亡した.

結 論

膵癌切除患者において,修正 FOLFIRINOX レジメンを用いた術後補助療法によって,生存期間がゲムシタビンよりも有意に延長したが,毒性発現率がより高いという代償を伴った.(R&D Unicancer 社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01526135,EudraCT 登録番号 2011-002026-52)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2395 - 406. )