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April 23, 2020 Vol. 382 No. 17

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電子たばこ関連肺傷害に関連する入院と死亡
Hospitalizations and Deaths Associated with EVALI

A.K. Werner and Others

背景

2020 年 1 月 7 日の時点で,米国疾病管理予防センター(CDC)には,電子たばこ関連肺傷害(EVALI)で入院したが生存した症例 2,558 例と,死亡にいたった症例 60 例が報告されている.

方 法

EVALI による死亡リスクが高い患者を同定する医師の能力を向上させるため,全米調査を行い EVALI の致死的症例と非致死的症例の特徴を比較した.保健当局は CDC に EVALI の症例を報告し,入手しえた場合には診療録から抽出したデータと患者への聞き取り調査データを報告に含めた.2020 年 1 月 7 日の時点で CDC に報告された EVALI の致死的症例と非致死的症例のすべての患者を解析の対象とした.また,EVALI で死亡した患者 3 例の症例を報告し,そのような患者に共通する臨床的特徴を説明する.

結 果

EVALI の致死的症例・非致死的症例の大半は男性であった(それぞれ 60 例中 32 例 [53%],2,498 例中 1,666 例 [67%]).致死的症例,非致死的症例に非ヒスパニック系白人が占める割合(それぞれ 49 例中 39 例 [80%],1,818 例中 1,104 例 [61%])は,それ以外の人種・民族群よりも高かった.致死的症例に 35 歳以上が占める割合(60 例中 44 例 [73%])は 35 歳未満よりも高かったが,非致死的症例に 35 歳以上が占める割合(2,514 例中 551 例 [22%])は 35 歳未満よりも低かった.病歴を入手しえた患者のうち,致死的症例では非致死的症例よりも高い割合で喘息(57 例中 13 例 [23%] 対 1,297 例中 102 例 [8%]),心疾患(55 例中 26 例 [47%] 対 1,169 例中 115 例 [10%]),精神疾患(49 例中 32 例 [65%] 対 1,398 例中 575 例 [41%])を有していた.致死的症例の 50 例中 26 例(52%)が肥満であった.致死的症例の半数(54 例中 25 例 [46%])は,入院または死亡する前に外来受診していた.

結 論

EVALI で入院した患者では,心疾患や呼吸器疾患,精神疾患などの慢性疾患の頻度が高かった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1589 - 98. )