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January 2, 2020 Vol. 382 No. 1

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未治療 EGFR 変異陽性進行非小細胞肺癌におけるオシメルチニブによる全生存期間
Overall Survival with Osimertinib in Untreated, EGFR-Mutated Advanced NSCLC

S.S. Ramalingam and Others

背景

オシメルチニブは,上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)感受性変異と EGFR T790M 耐性変異の両方を選択的に阻害する,第三世代の不可逆的な EGFR-TKI である.EGFR 変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした第 3 相試験で,一次治療としてのオシメルチニブとその他の EGFR-TKI とを比較した.主要解析では,オシメルチニブのほうが,対照薬の EGFR-TKI よりも無増悪生存期間が長いことが示された(病勢進行または死亡のハザード比 0.46).最終解析で得られた全生存期間のデータは報告されていない.

方 法

この試験で,未治療の EGFR 変異(エクソン 19 欠失または L858R)陽性進行 NSCLC 患者 556 例を,1:1 の割合で,オシメルチニブ(80 mg 1 日 1 回)を投与する群と他の 2 種類の EGFR-TKI(ゲフィチニブ 250 mg 1 日 1 回またはエルロチニブ 150 mg 1 日 1 回)のいずれかを投与する群(投与を受けた患者は 1 つの対照群に統合)に無作為に割り付けた.全生存期間は副次的評価項目であった.

結 果

全生存期間の中央値は,オシメルチニブ群で 38.6 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 34.5~41.8),対照群で 31.8 ヵ月(95% CI 26.6~36.0)であった(死亡のハザード比 0.80,95.05% CI 0.64~1.00,P=0.046).3 年の時点で,オシメルチニブ群 279 例中 79 例(28%)と対照群 277 例中 26 例(9%)が試験レジメンを継続しており,曝露期間の中央値はそれぞれ 20.7 ヵ月と 11.5 ヵ月であった.グレード 3 以上の有害事象は,オシメルチニブ群の 42%と対照群の 47%で報告された.

結 論

未治療の EGFR 変異陽性進行 NSCLC 患者のうち,オシメルチニブの投与を受けた患者では,対照薬として別の EGFR-TKI の投与を受けた患者よりも全生存期間が長かった.オシメルチニブ群のほうが曝露期間が長かったにもかかわらず,その安全性プロファイルは対照薬の EGFR-TKI と同様であった.(アストラゼネカ社から研究助成を受けた.FLAURA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02296125)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 41 - 50. )