December 24, 2020 Vol. 383 No. 26
妊娠中におけるてんかん発作の頻度と抗てんかん治療の変化
Changes in Seizure Frequency and Antiepileptic Therapy during Pregnancy
P.B. Pennell and Others
てんかんを有する女性の妊娠中の発作頻度の変化に関する研究は,妊娠女性と非妊娠女性の発作頻度の自然経過に関するデータを提供するには,適切な非妊娠女性の比較群がなく限界があった.
前向き観察的多施設共同コホート研究で,妊娠中から産褥期(産後 6 週間)まで(期間 1)の発作頻度を,産後期(産後 6 週から 7.5 ヵ月間)(期間 2)の発作頻度と比較した.てんかんを有する非妊娠女性を比較群として登録し,18 ヵ月間同様に追跡した.主要評価項目は,期間 1 における意識障害を伴う発作の頻度が期間 2 より高かった女性の割合とした.期間 1 の最初の 9 ヵ月間に 2 群で投与された抗てんかん薬の用量の変化も比較した.
てんかんを有する妊娠女性 351 例と比較群 109 例を登録した.意識障害を伴う発作歴があり,2 つの期間のデータを入手しえた妊娠女性 299 例と対照 93 例のうち,妊娠女性の 70 例(23%)と対照の 23 例(25%)で,期間 1 における発作頻度が期間 2 より高かった(オッズ比 0.93,95%信頼区間 [CI] 0.54~1.60).妊娠中に,妊娠女性の 74%と対照の 31%で,抗てんかん薬の用量が 1 回以上変更された(オッズ比 6.36,95% CI 3.82~10.59).
てんかんを有する女性のうち,妊娠中の発作の発生率が産後期より高かった女性の割合は,対応する期間に妊娠していなかった女性と同程度であった.抗てんかん薬の用量変更の頻度は,妊娠女性のほうが,同様の期間における非妊娠女性よりも高かった.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.MONEAD 研究:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01730170)