The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

August 6, 2020 Vol. 383 No. 6

Covid-19 に対する曝露後予防薬としてのヒドロキシクロロキンの無作為化試験
A Randomized Trial of Hydroxychloroquine as Postexposure Prophylaxis for Covid-19

D.R. Boulware and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)は,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)への曝露後に生じる.曝露者に対する標準的な診療は経過観察と隔離である.ヒドロキシクロロキンが SARS-CoV-2 への曝露後の症候性感染を予防できるかどうかは不明である.

方 法

米国およびカナダの一部地域で,曝露後予防薬としてのヒドロキシクロロキンを検証する無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った.Covid-19 確定者への家庭内曝露または職業曝露として 6 フィート(約 1.8 メートル)未満の距離で 10 分間以上,マスクもアイシールドも着用していない状態で曝露(高リスク曝露),またはマスクは着用しているがアイシールドは着用していない状態で曝露(中リスク曝露)した成人を登録した.参加者を,曝露後 4 日以内にプラセボまたはヒドロキシクロロキン(800 mg を 1 回,その 6~8 時間後に 600 mg,さらに 600 mg を 1 日 1 回 4 日間投与)に無作為に割り付けた.主要転帰は 14 日以内の,検査で確認された Covid-19 または症状が Covid-19 に一致する疾患の発生率とした.

結 果

無症状の参加者 821 例を登録した.参加者の 87.6%(821 例中 719 例)が Covid-19 確定者への高リスク曝露を報告した.Covid-19 に一致する新規疾患の発生率には,ヒドロキシクロロキン投与を受けた参加者(414 例中 49 例 [11.8%])とプラセボ投与を受けた参加者(407 例中 58 例 [14.3%])とのあいだで有意差は認められず,絶対差は -2.4 パーセントポイント(95%信頼区間 -7.0~2.2,P=0.35)であった.副作用はヒドロキシクロロキン群のほうがプラセボ群よりも多かったが(40.1% 対 16.8%),重篤な副作用は報告されなかった.

結 論

Covid-19 への高リスクまたは中リスクの曝露後,4 日以内にヒドロキシクロロキンを曝露後予防薬として使用しても,Covid-19 に一致する疾患または検査で確認された SARS-CoV-2 感染は予防されなかった.(David Baszucki 氏・Jan Ellison Baszucki 氏ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04308668)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 517 - 25. )