進行腎細胞癌に対するレンバチニブとペムブロリズマブの併用,またはレンバチニブとエベロリムスの併用
Lenvatinib plus Pembrolizumab or Everolimus for Advanced Renal Cell Carcinoma
R. Motzer and Others
レンバチニブは,ペムブロリズマブまたはエベロリムスとの併用で進行腎細胞癌に対して活性を示す.これらのレジメンの,スニチニブと比較した有効性は明らかにされていない.
第 3 相試験で,全身治療歴のない進行腎細胞癌患者を,レンバチニブ(20 mg を 1 日 1 回経口投与)+ペムブロリズマブ(200 mg を 3 週ごとに静脈内投与)群,レンバチニブ(18 mg を 1 日 1 回経口投与)+エベロリムス(5 mg を 1 日 1 回経口投与)群,スニチニブ(50 mg を 1 日 1 回 4 週間経口投与,その後 2 週間休薬)群に(1:1:1 の割合で)無作為に割り付けた.主要評価項目は無増悪生存期間とし,独立判定委員会が固形癌治療効果判定基準(RECIST)バージョン 1.1 に基づいて評価した.全生存期間と安全性も評価した.
合計 1,069 例が,レンバチニブ+ペムブロリズマブ群(355 例),レンバチニブ+エベロリムス群(357 例),スニチニブ群(357 例)に無作為に割り付けられた.レンバチニブ+ペムブロリズマブ群の無増悪生存期間はスニチニブ群よりも長く(中央値 23.9 ヵ月 対 9.2 ヵ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.39,95%信頼区間 [CI] 0.32~0.49,P<0.001),レンバチニブ+エベロリムス群でもスニチニブ群より長かった(中央値 14.7 ヵ月 対 9.2 ヵ月,ハザード比 0.65,95% CI 0.53~0.80,P<0.001).レンバチニブ+ペムブロリズマブ群の全生存期間はスニチニブ群よりも長かったが(死亡のハザード比 0.66,95% CI 0.49~0.88,P=0.005),レンバチニブ+エベロリムス群ではスニチニブ群よりも長くなかった(ハザード比 1.15,95% CI 0.88~1.50,P=0.30).グレード 3 以上の有害事象がレンバチニブ+ペムブロリズマブ群の 82.4%,レンバチニブ+エベロリムス群の 83.1%,スニチニブ群の 71.8%で投与中に発現または悪化した.いずれかの群で患者の 10%以上に発現したグレード 3 以上の有害事象は,高血圧,下痢,リパーゼ上昇などであった.
レンバチニブ+ペムブロリズマブは,スニチニブと比較して無増悪生存期間と全生存期間が有意に長いことに関連した.(エーザイ社,メルク シャープ&ドーム社から研究助成を受けた.CLEAR 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02811861)