マリ人の歩行開始期幼児に対する髄膜炎菌血清群 ACWYX 結合型ワクチン
Meningococcal Serogroup ACWYX Conjugate Vaccine in Malian Toddlers
M.D. Tapia and Others
髄膜炎菌の血清型のうち,A,B,C,W,X,Y 群が髄膜炎菌感染症の集団発生を引き起こす.A,C,W,Y 群を標的とする 4 価結合型ワクチンが現在利用可能である.さらに X 群を含めた 5 価ワクチン(NmCV-5)の開発が進められている.
生後 12~16 ヵ月のマリ人小児を対象に,第 2 相観察者盲検無作為化比較試験を行った.参加者を,アジュバントを添加しない NmCV-5 群,アジュバントとしてミョウバンを添加した NmCV-5 群,4 価ワクチンである MenACWY-D 群に 2:2:1 の割合で割り付け,12 週間隔で 2 回筋肉内接種した.参加者を安全性について 169 日間追跡した.ウサギ補体を用いた血清殺菌抗体(SBA)の検査により,免疫原性を 0,28,84,112 日目に評価した.
376 例が無作為化され,2 つの NmCV-5 群に各 150 例,MenACWY-D 群に 76 例が割り付けられた.362 例が 2 回の接種を受けた.安全性データとして収集した有害事象(solicited adverse events)のうち,局所の有害事象は,アジュバント非添加 NmCV-5 群の 1%,アジュバント添加 NmCV-5 群の 1%,MenACWY-D 群の 4%で報告された.全身性の有害事象は,それぞれ 6%,5%,7%で報告された.84 日目(2 回目の接種の前)に SBA 価が 128 以上であった参加者は,NmCV-5 を接種した 2 群では 91~100%(5 つの血清型すべて),MenACWY-D 群では 36~99%(X 群を除く)であった.112 日目に同じ閾値に到達した参加者は,NmCV-5 を接種した 2 群では 99~100%(5 つの血清型すべて),MenACWY-D 群では 92~100%(X 群 を除く)であった.アジュバント非添加 NmCV-5 製剤とアジュバント添加 NmCV-5 製剤に対する免疫応答は同程度であった.
NmCV-5 の 2 回の接種に安全性の懸念は認められなかった.NmCV-5 の 1 回の接種で,MenACWY-D の 2 回の接種と同程度の免疫応答が惹起された.アジュバント添加 NmCV-5 に,アジュバント非添加 NmCV-5 よりも大きな利益は認められなかった.(英国外務および英連邦・開発省から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03295318)