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February 18, 2021 Vol. 384 No. 7

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子宮筋腫の症状に対するレルゴリクス併用療法による治療
Treatment of Uterine Fibroid Symptoms with Relugolix Combination Therapy

A. Al-Hendy and Others

背景

子宮筋腫は過多月経と疼痛の主な原因である.子宮筋腫と過多月経を有する女性では,レルゴリクス(経口ゴナドトロピン放出ホルモン受容体拮抗薬),エストラジオール,酢酸ノルエチンドロン(norethindrone acetate)の組合せを 1 日 1 回投与する治療により,エストロゲン低下作用を回避しながら有効性が得られる可能性がある.

方 法

子宮筋腫に伴う過多月経の女性を対象に,再現性を検証する 2 件の 24 週間の国際共同二重盲検第 3 相試験を行った.参加者を,1 日 1 回プラセボを投与する群,レルゴリクス併用療法(レルゴリクス 40 mg,エストラジオール 1 mg,酢酸ノルエチンドロン 0.5 mg)を行う群,レルゴリクス後期併用療法(レルゴリクス 40 mg の単剤療法後にレルゴリクス併用療法を実施,各 12 週間)を行う群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.各試験とも主要有効性評価項目は,レルゴリクス併用療法群で反応(経血量 80 mL 未満,かつベースラインから 50%以上減少)が認められた参加者の割合とし,プラセボ群と比較した.主な副次的評価項目は,無月経,経血量,出血・下腹部違和感による心理的苦痛,貧血,疼痛,筋腫体積,子宮体積とした.安全性と骨密度を評価した.

結 果

LIBERTY 1(L1)試験では 388 例,LIBERTY 2(L2)試験では 382 例が無作為化された.反応(主要評価項目)が認められた参加者の割合は,レルゴリクス併用療法群では L1 試験で 73%,L2 試験で 71%であったのに対し,プラセボ群ではそれぞれ 19%と 15%であった(いずれの比較も P<0.001).レルゴリクス併用療法を行った 2 群ではいずれも,7 つの主な副次的評価項目のうち筋腫体積を除く 6 つ,すなわち無月経,経血量,疼痛,出血・下腹部違和感による心理的苦痛,貧血,子宮体積に,プラセボ群と比較して有意な改善が認められた.有害事象の発現率はレルゴリクス併用療法群とプラセボ群とで同程度であった.骨密度はレルゴリクス併用療法群とプラセボ群では同程度であったが,レルゴリクス単剤療法群では低下した.

結 論

子宮筋腫を有する女性に対する 1 日 1 回のレルゴリクス併用療法により,経血量がプラセボと比較して有意に減少し,骨密度が維持された.(マイオバント・サイエンシズ社から研究助成を受けた.LIBERTY 1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03049735,LIBERTY 2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03103087)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 384 : 630 - 42. )