The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 19, 2021 Vol. 385 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

腎細胞癌における腎摘除後の術後補助療法としてのペムブロリズマブ
Adjuvant Pembrolizumab after Nephrectomy in Renal-Cell Carcinoma

T.K. Choueiri and Others

背景

腎摘除術を受ける腎細胞癌患者には,再発リスクを低下させるための術後補助療法の選択肢として,高いエビデンスレベルで支持されているものがない.

方 法

二重盲検第 3 相試験で,転移巣切除の有無にかかわらず腎摘除術を受けた,再発リスクの高い淡明細胞型腎細胞癌患者を,術後補助療法としてペムブロリズマブ(200 mg)を 3 週ごとに最長 17 サイクル(約 1 年間)静脈内投与する群と,プラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,試験担当医師の評価による無病生存とした.全生存を重要な副次的エンドポイントとした.安全性は副次的エンドポイントとした.

結 果

496 例をペムブロリズマブ群に,498 例をプラセボ群に無作為に割り付けた.事前に規定した中間解析の時点で,無作為化からデータカットオフ日までの期間の中央値は 24.1 ヵ月であった.ペムブロリズマブ療法は,無病生存期間がプラセボよりも有意に長いことと関連した(24 ヵ月無病生存率 77.3% 対 68.1%,再発または死亡のハザード比 0.68,95%信頼区間 [CI] 0.53~0.87,P=0.002 [両側]).24 ヵ月時点で生存していた患者の推定割合は,ペムブロリズマブ群 96.6%,プラセボ群 93.5%であった(死亡のハザード比 0.54,95% CI 0.30~0.96).あらゆる原因によるグレード 3 以上の有害事象は,ペムブロリズマブ群の 32.4%とプラセボ群の 17.7%に発現した.ペムブロリズマブ療法に関連する死亡は発生しなかった.

結 論

再発リスクの高い腎癌患者の術後に投与するペムブロリズマブは,プラセボと比較して無病生存率の有意な改善をもたらした.(メルク シャープ&ドーム社 [メルク社の子会社] から研究助成を受けた.KEYNOTE-564 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号NCT03142334)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 683 - 94. )