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March 17, 2022 Vol. 386 No. 11

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全身性エリテマトーデスに対するイベルドミドの第 2 相試験
Phase 2 Trial of Iberdomide in Systemic Lupus Erythematosus

J.T. Merrill and Others

背景

転写因子であるイカロスとアイオロスは,白血球の発生と自己免疫に影響に及ぼす.これらの分解を促進するセレブロン調節薬イベルドミド(iberdomide)は,全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬としての評価が行われている.

方 法

第 2 相試験で,患者を,標準治療薬に加えて,イベルドミドを 0.45 mg,0.30 mg,0.15 mg のいずれかの用量で 1 日 1 回,24 週間経口投与する 3 群と,プラセボを投与する群に 2:2:1:2 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,24 週の時点における SLE 反応指標(SRI-4)での反応とし,全身性エリテマトーデス疾患活動性指標 2000(SLEDAI-2K)(疾患活動性に関する 24 項目の加重スコア;0~105 点で,高いほど疾患活動性が高いことを示す)で 4 点以上減少すること,英国諸島ループス評価グループ 2004 指標(BILAG-2004)による測定で新たな疾患活動性がないこと,臨床医の総合評価(PGA)(0 [疾患活動性なし]~3 [最大の活動性] のビジュアルアナログスケール)で 0.3 点以上の増加がないことと定義した.

結 果

288 例が割り付けられた介入を受け,内訳はイベルドミド 0.45 mg 群 81 例,0.30 mg 群 82 例,0.15 mg 群 42 例,プラセボ群 83 例であった.24 週の時点で SRI-4 反応が認められた患者の割合は,イベルドミド 0.45 mg 群 54%,0.30 mg 群 40%,0.15 mg 群 48%,プラセボ群 35%であり(イベルドミド 0.45 mg 群とプラセボ群との補正後の差 19.4 パーセントポイント,95%信頼区間 4.1~33.4,P=0.01),イベルドミドの 0.45 mg より低い用量群とプラセボ群とのあいだに有意差は認められなかった.イベルドミドに関連する有害事象として,尿路感染症,上気道感染症,好中球減少などがあった.

結 論

SLE 患者を対象とした今回の 24 週間の第 2 相試験では,イベルドミド 0.45 mg の投与により,SRI-4 反応が認められた患者の割合はプラセボ投与よりも高くなった.SLE に対するイベルドミドの有効性と安全性を明らかにするためには,より大規模かつ長期の試験でのデータが必要である.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03161483,EudraCT 登録番号 2016-004574-17)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 1034 - 45. )