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February 10, 2022 Vol. 386 No. 6

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再発子宮頸癌におけるセミプリマブによる生存期間
Survival with Cemiplimab in Recurrent Cervical Cancer

K.S. Tewari and Others

背景

再発子宮頸癌患者の予後は不良である.肺癌と皮膚癌の治療薬として承認されている完全ヒトプログラム細胞死 1(PD-1)阻害抗体セミプリマブ(cemiplimab)は,この患者集団で臨床活性を示すことが予備的に示されている.

方 法

この第 3 相試験では,白金製剤を含む化学療法による一次治療後に病勢が進行した患者を,プログラム細胞死リガンド 1(PD-L1)の発現状態にかかわらず登録した.患者を,セミプリマブ(350 mg を 3 週ごと)を投与する群と,試験担当医師の選択した単剤化学療法を行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは全生存期間とした.無増悪生存期間と安全性も評価した.

結 果

608 例(各群 304 例)を登録した.試験集団全体で,全生存期間の中央値は,セミプリマブ群のほうが化学療法群よりも長かった(12.0 ヵ月 対 8.5 ヵ月,死亡のハザード比 0.69,95%信頼区間 [CI] 0.56~0.84,両側 P<0.001).全生存期間への利益は,組織型別のサブグループ(扁平上皮癌,腺癌 [腺扁平上皮癌を含む])で一貫していた.無増悪生存期間も,集団全体ではセミプリマブ群のほうが化学療法群よりも長かった(病勢進行または死亡のハザード比 0.75,95% CI 0.63~0.89,両側 P<0.001).集団全体における客観的奏効割合は,セミプリマブ群では 16.4%(95% CI 12.5~21.1)であったのに対し,化学療法群では 6.3%(95% CI 3.8~9.6)であった.セミプリマブの投与を受けた患者における客観的奏効割合は,PD-L1 の発現が 1%以上の患者では 18%(95% CI 11~28),1%未満の患者では 11%(95% CI 4~25)であった.全体で,グレード 3 以上の有害事象は,セミプリマブの投与を受けた患者の 45.0%と,化学療法を受けた患者の 53.4%に発現した.

結 論

白金製剤を含む化学療法による一次治療後の再発子宮頸癌患者では,セミプリマブにより,単剤化学療法と比較して生存期間が有意に延長した.(リジェネロン ファーマシューティカルズ社,サノフィ社から研究助成を受けた.EMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03257267)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 544 - 55. )