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November 3, 2022 Vol. 387 No. 18

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生後 6 ヵ月~5 歳児における mRNA-1273 ワクチンの評価
Evaluation of mRNA-1273 Vaccine in Children 6 Months to 5 Years of Age

E.J. Anderson and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)ワクチン mRNA-1273 の,幼児における安全性,反応原性(副反応),免疫原性,有効性は明らかにされていない.

方 法

2 部構成の第 2・3 相試験で,パート 1 では用量選択を目的として非盲検で評価を行い,パート 2 では,選択された用量のプラセボ対照,観察者盲検での評価を現在行っている.パート 2 では,幼児(生後 6 ヵ月~5 歳)を,mRNA-1273 ワクチン 25 μg を 28 日間隔で 2 回注射する群と,プラセボを注射する群に 3:1 の割合で無作為に割り付けた.主要目的は,ワクチンの安全性と反応原性を評価することと,幼児の免疫応答が,関連する第 3 相試験における若年成人(18~25 歳)の免疫応答と比較して非劣性であるかどうかを明らかにすることであった.副次的目的は,mRNA-1273 ワクチンまたはプラセボを注射後の,Covid-19 の発生率と,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染の発生率を明らかにすることであった.

結 果

パート 1 での安全性と免疫原性の結果に基づき,パート 2 では 25 μg の用量を評価した.パート 2 では,2~5 歳の 3,040 例と生後 6~23 ヵ月の 1,762 例が,mRNA-1273 ワクチン 25 μg の注射を 2 回受ける群に無作為に割り付けられ,2~5 歳の 1,008 例と生後 6~23 ヵ月の 593 例が,プラセボの注射を受ける群に無作為に割り付けられた.2 回目の注射後の追跡期間の中央値は,2~5 歳のコホートで 71 日,生後 6~23 ヵ月のコホートで 68 日であった.有害事象は主に低グレードで一過性であり,新たな安全性の懸念は認められなかった.57 日の時点での中和抗体価の幾何平均値は,2~5歳で 1,410(95%信頼区間 [CI] 1,272~1,563),生後 6~23 ヵ月で 1,781(95% CI 1,616~1,962)であったのに対し,mRNA-1273 ワクチン 100 μg の注射を受けた若年成人では 1,391(95% CI 1,263~1,531)であったことから,いずれの年齢コホートも免疫応答の非劣性基準を満たした.Covid-19 に対するワクチン有効率は,2~5 歳で 36.8%(95% CI 12.5~54.0),生後 6~23 ヵ月で 50.6%(95% CI 21.4~68.6)と推定された.この評価が行われた時点では,B.1.1.529(オミクロン株)が主に流行していた.

結 論

生後 6 ヵ月~5 歳児において,mRNA-1273 ワクチン 25 μg の 2 回接種は安全であり,誘導される免疫応答は,若年成人と比較して非劣性であることが明らかになった.(米国生物医学先端研究開発局,米国国立アレルギー・感染症研究所から研究助成を受けた.KidCOVE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04796896)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1673 - 87. )