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August 25, 2022 Vol. 387 No. 8

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関節リウマチに対するオロキズマブとプラセボまたはアダリムマブとの比較
Olokizumab versus Placebo or Adalimumab in Rheumatoid Arthritis

J.S. Smolen and Others

背景

サイトカインであるインターロイキン-6 は,関節リウマチの病因に関与している.オロキズマブ(olokizumab)は,インターロイキン-6 を直接の標的とするヒト化モノクローナル抗体であり,関節リウマチの治療薬として検討されている.

方 法

24 週間の第 3 相多施設共同プラセボ対照・実薬対照試験で,関節リウマチを有し,メトトレキサートに対する反応が不十分な患者を,オロキズマブ 64 mg の皮下投与を 2 週ごとに行う群,4 週ごとに行う群,アダリムマブ(40 mg を 2 週ごと)の投与を行う群,プラセボの投与を行う群に,2:2:2:1 の割合で無作為に割り付けた.全例がメトトレキサート療法を継続した.主要エンドポイントは,12 週の時点での米国リウマチ学会基準による 20%改善(ACR20)(圧痛・腫脹関節数が 20%以上減少し,その他の 5 分野のうち 3 分野が 20%以上改善)とし,オロキズマブの各用量について,プラセボに対する優越性を検定した.また,ACR20 を達成した患者の割合に関して,オロキズマブの各用量のアダリムマブに対する非劣性も検定した(非劣性マージンは,群間差の 97.5%信頼区間下限が-12 パーセントポイントとした).

結 果

464 例がオロキズマブ 2 週ごと投与群,479 例がオロキズマブ 4 週ごと投与群,462 例がアダリムマブ群,243 例がプラセボ群に割り付けられた.12 週の時点での ACR20 達成割合は,プラセボ群 44.4%,オロキズマブ 2 週ごと投与群 70.3%(プラセボとの差 25.9 パーセントポイント,97.5%信頼区間 [CI] 17.1~34.1),オロキズマブ 4 週ごと投与群 71.4%(プラセボとの差 27.0 パーセントポイント,97.5% CI 18.3~35.2),アダリムマブ群 66.9%(プラセボとの差 22.5 パーセントポイント,95% CI 14.8~29.8)であった(オロキズマブの各用量のプラセボに対する優越性について P<0.001).オロキズマブのいずれの用量も,12 週の時点での ACR20 達成割合に関して,アダリムマブに対して非劣性であった(差は,オロキズマブ 2 週ごと投与で 3.4 パーセントポイント [97.5% CI -3.5~10.2],オロキズマブ 4 週ごと投与で 4.5 パーセントポイント [97.5% CI -2.2~11.2]).有害事象は,オロキズマブの投与を受けた患者の約 70%に発現し,もっとも多かったのは感染症であった.オロキズマブに対する抗体は,オロキズマブの 2 週ごと投与を受けた患者の 3.8%と,4 週ごと投与を受けた患者の 5.1%で検出された.

結 論

メトトレキサートによる維持療法中の関節リウマチ患者において,オロキズマブは,12 週の時点での ACR20 達成に関して,プラセボに対して優越性を示し,アダリムマブに対して非劣性を示した.関節リウマチ患者におけるオロキズマブの有効性と安全性を明らかにするためには,より大規模かつより長期の試験が必要である.(R-ファーム社から研究助成を受けた.CREDO2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02760407)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 715 - 26. )