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September 1, 2022 Vol. 387 No. 9

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PCI のガイドとしての冠血流予備量比と血管内超音波との比較
Fractional Flow Reserve or Intravascular Ultrasonography to Guide PCI

B.-K. Koo and Others

背景

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行うべきか評価中の冠動脈疾患患者では,血行再建,およびステントを何本留置するかの意思決定のガイドとして,冠血流予備量比(FFR)または血管内超音波(IVUS)を用いることが可能である.しかし,両方の目的に対して 1 つの方法のみを用いた場合の臨床転帰の差は明らかにされていない.

方 法

中等度狭窄(冠動脈造影上の目視で 40~70%の閉塞)の治療に PCI を行うべきか評価中の患者 1,682 例を,FFR ガイド PCI 群と,IVUS ガイド PCI 群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.FFR または IVUS は,PCI を行うかどうかの決定と,PCI の成功の評価に用いた.FFR 群では,FFR が 0.80 以下の場合に PCI を行うこととした.IVUS 群では,PCI 施行の基準は,最小血管内腔面積(MLA)が 3 mm2 以下であるか,MLA が 3~4 mm2 でプラーク面積率が 70%超であることとした.主要転帰は,無作為化後 24 ヵ月の時点での死亡,心筋梗塞,血行再建の複合とした.FFR 群の IVUS 群に対する非劣性を検証した(非劣性マージン 2.5 パーセントポイント).

結 果

全標的血管における PCI の施行頻度は,FFR 群 33.2%,IVUS 群 58.4%であった.24 ヵ月の時点で,主要転帰イベントは FFR 群では 8.1%,IVUS 群では 8.5%に発生していた(絶対差 -0.4 パーセントポイント,片側 97.5%信頼区間の上限 2.2 パーセントポイント,非劣性の P=0.01).シアトル狭心症質問票(SAQ)に基づく患者報告アウトカムは,2 群で同様であった.

結 論

PCI を行うべきか評価中の中等度狭窄患者において,24 ヵ月の時点での死亡,心筋梗塞,血行再建の複合主要転帰に関して,FFR をガイドとした場合,IVUS をガイドとした場合に対して非劣性であった.(ボストン・サイエンティフィック社から研究助成を受けた.FLAVOUR 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02673424)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 779 - 89. )