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April 25, 2024 Vol. 390 No. 16

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中期~後期早産児に対する栄養支援 ― 無作為化試験
Nutritional Support for Moderate-to-Late–Preterm Infants — A Randomized Trial

T. Alexander and Others

背景

中期~後期早産児の大部分は,母親の母乳のみから栄養を摂取するようになるまで栄養支援を必要とする.このような児の栄養戦略の指針となるエビデンスは少ない.

方 法

在胎 32 週 0 日~35 週 6 日で出生し,静脈アクセスがあり,母親に母乳育児の意思がある児を対象として,多施設共同無作為化要因デザイン試験を行った.児を,次の 3 つの介入とその対照の,計 6 群に割り付けた:母乳または人工乳による完全栄養が確立されるまでアミノ酸溶液(静脈栄養)を投与する群と,ブドウ糖溶液を静脈内投与する群;母親の母乳が不十分な場合にドナー母乳または人工乳を補充する群と,母親の母乳のみで補充をしない群;胃管栄養前に味とにおいに曝露させる群と,味とにおいに曝露させない群.静脈栄養の介入,およびドナー母乳または人工乳補充の介入の主要転帰は修正在胎 4 ヵ月の時点での体脂肪率とし,味とにおいの介入の主要転帰は完全経腸栄養(150 mL/kg 体重/日,または母乳栄養のみ)までの期間とした.

結 果

532 例(男児 291 例 [55%])が試験に組み入れられた.4 ヵ月の時点での体脂肪率の平均(±SD)は,静脈栄養の投与を受けた児とブドウ糖液の投与を受けた児とで同程度であり(26.0±5.4% 対 26.2±5.2%,補正後の差の平均 -0.20,95%信頼区間 [CI] -1.32~0.92,P=0.72),ドナー母乳または人工乳補充を受けた児と母親の母乳のみの児とでも同程度であった(26.3±5.3% 対 25.8±5.4%,補正後の差の平均 0.65,95% CI -0.45~1.74,P=0.25).完全経腸栄養までの期間は,味とにおいに曝露された児と曝露されなかった児とで同程度であった(5.8±1.5 日 対 5.7±1.9 日,P=0.59).副次的転帰は介入全体で同程度であった.1 例に重篤な有害事象が発現した.

結 論

中期~後期早産児に対し,母親の母乳による完全栄養摂取が可能になるまでの支援としてルーチンに行われている栄養介入に関するこの試験では,完全経腸栄養までの期間にも,修正在胎 4 ヵ月の時点での体組成にも,効果は認められなかった.(ニュージーランド保健研究評議会ほかから研究助成を受けた.DIAMOND 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12616001199404)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1493 - 504. )