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September 18, 2025 Vol. 393 No. 11

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早期 2 型糖尿病に対する経口低分子 GLP-1 受容体作動薬オルフォルグリプロン
Orforglipron, an Oral Small-Molecule GLP-1 Receptor Agonist, in Early Type 2 Diabetes

J. Rosenstock and Others

背景

オルフォルグリプロン(orforglipron)は,2 型糖尿病の治療と体重管理に用いる薬剤として臨床開発中の,低分子非ペプチド性グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬である.オルフォルグリプロンの有効性と安全性に関する追加データが必要である.

方 法

第 3 相二重盲検プラセボ対照試験で,参加者を,オルフォルグリプロンを 3 つの維持用量(3 mg,12 mg,36 mg)のいずれかで 1 日 1 回,40 週間投与する群と,プラセボを投与する群に 1:1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.参加者は 2 型糖尿病を有し,食事と運動のみによる治療を受けており,糖化ヘモグロビン値は 7.0%以上 9.5%以下で,体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m]2)は 23.0 以上であった.主要評価項目は,糖化ヘモグロビン値のベースラインから 40 週までの変化量とした.体重のベースラインから 40 週までの変化率を重要な副次的評価項目とした.

結 果

559 例が無作為化された.ベースライン時の糖化ヘモグロビン値の平均は 8.0%であった.40 週の時点で,糖化ヘモグロビン値のベースラインからの平均変化量の推定値は,3 mg 群 -1.24 パーセントポイント,12 mg 群 -1.47 パーセントポイント,36 mg 群 -1.48 パーセントポイント,プラセボ群 -0.41 パーセントポイントであった.主要評価項目に関して,オルフォルグリプロンの 3 用量すべてがプラセボに対する優越性を示し,プラセボ群との推定平均差は,3 mg 群 -0.83 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] -1.10~-0.56),12 mg 群 -1.06 パーセントポイント(95% CI -1.33~-0.79),36 mg 群 -1.07 パーセントポイント(95% CI -1.33~-0.81)であった(すべての比較で P<0.001).40 週の時点での糖化ヘモグロビン値の平均は,オルフォルグリプロン群で 6.5~6.7%であった.体重のベースラインから 40 週までの変化率は,3 mg 群 -4.5%,12 mg 群 -5.8%,36 mg 群 -7.6%,プラセボ群 -1.7%であった.とくに頻度の高かった有害事象は,軽度~中等度の消化器系事象であり,大部分は用量漸増中に発現した.重度の低血糖エピソードは報告されなかった.有害事象により投与を永久に中止した参加者の割合は,オルフォルグリプロンの投与を受けた参加者で 4.4~7.8%,プラセボの投与を受けた参加者で 1.4%であった.

結 論

早期 2 型糖尿病の成人において,オルフォルグリプロン投与により,40 週の期間中糖化ヘモグロビン値が有意に低下した.(イーライリリー社から研究助成を受けた.ACHIEVE-1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05971940)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 1065 - 76. )