The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 23, 2003
Vol. 349 No. 17

ORIGINAL ARTICLE

  • 急性冠症候群におけるミエロペルオキシダーゼの予後予測因子としての有用性
    Prognostic Value of Myeloperoxidase in Acute Coronary Syndromes

    急性冠症候群におけるミエロペルオキシダーゼの予後予測因子としての有用性

    急性冠症候群において,炎症は重要な役割があると考えられている.活性酸素種を産生する酵素であるミエロペルオキシダーゼは,活性化のさいに白血球から遊離されるため,血漿ミエロペルオキシダーゼ値は炎症マーカーとして役立つ可能性がある.この研究では,血漿ミエロペルオキシダーゼ値により,胸痛患者のその後の冠動脈イベントを予測できることが明らかになった.これは,その患者が初期にはトロポニン T 陰性であった場合にも当てはまる.
    血漿ミエロペルオキシダーゼ値は,急性冠症候群が疑われる患者のリスク層別化に有用である可能性がある.

  • グルタチオンペルオキシダーゼ-1 活性と冠動脈疾患
    Glutathione Peroxidase 1 Activity and Coronary Artery Disease

    活性酸素種はアテローム性動脈硬化の発症に役割を担っている可能性があり,活性酸素種を分解する抗酸化酵素はアテローム性動脈硬化を予防する可能性がある.この研究では,抗酸化酵素の一種であるグルタチオンペルオキシダーゼ-1 の赤血球における活性を測定したところ,その後の冠動脈イベントのリスクと負の相関性があることが明らかになった.
    この知見により,活性酸素種がアテローム性動脈硬化に関与するかもしれないという証拠が追加され,活性酸素種を低下させることが治療上有用である可能性が示唆された.

  • 思春期の調節因子としての GPR54 遺伝子
    GPR54 as a Regulator of Puberty

    思春期の調節因子としての <i>GPR54 </i>遺伝子

    思春期は,特発性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症患者には起らない.この研究では,G 蛋白共役型受容体をコードする候補遺伝子(GPR54)の変異を検討した.指標となる家系の罹患者は,L148S 変異がホモ接合性であった.血縁関係のない発端者には 2 つの異なる変異,R331X と X399R があった.この遺伝子を欠損させて作成したノックアウトマウスにも,孤立した低ゴナドトロピン性性腺機能低下症が認められた.
    GPR54 をコードする遺伝子の変異により,常染色体劣性の特発性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症が起る.このことから,この受容体が,ゴナドトロピン放出ホルモンに関連する正常な生理機能と思春期とに必須であることが示唆される.

  • スルホンアミド系抗菌薬への反応後に投与する抗菌薬以外のスルホンアミド系製剤の安全性
    The Safety of Sulfonamide Nonantibiotics after Reactions to Sulfonamide Antibiotics

    大規模なコホート研究において,患者 969 例がスルホンアミド系抗菌薬にアレルギー反応を示し,そのうち 96 例(9.9%)が,その後抗菌薬以外のスルホンアミド系製剤の投与を受けたあとに反応を示した.しかしこの割合は,ペニシリンの投与を受けたあとの反応の割合よりも低かった.
    これらのデータから,スルホンアミド系抗菌薬にアレルギー反応を示したことのある患者で,抗菌薬以外のスルホンアミド系製剤に対する特異的な交差反応はないことが示唆される.その代りに,アレルギー反応に対して非特異的な素因を有する患者がいる可能性がある.

SPECIAL ARTICLE

  • 米国退役軍人局医療制度受給者の病院利用率と生存率
    Hospital Use and Survival among Veterans Affairs Beneficiaries

    歴史的にみても高い病院利用率を減らすことは,退役軍人局(VA)の医療制度が 1995 年にプライマリケアと人頭払いを導入した目的の 1 つであった.慢性疾患を有する退役軍人を対象としたこの研究では,1994~98 年に病院利用が 50%減少し,救急での受診が 35%減少したことが示された.死亡率は増加しなかった.
    1995 年の VA 医療制度の大きな変更は,慢性疾患を有する退役軍人の死亡率を増加させることなく,病院利用率を大幅に減少させる結果となった.

CLINICAL PRACTICE

  • 痛風
    Gout

    痛風

    両側の肘頭に痛風結節を有する 59 歳の男性は,急性痛風関節炎の発作がしばしばみられ,昨年は 3 回発作を起ている.血清中の尿酸値は常に 9 mg/dL を超えている.患者は中程度の肥満で,軽度の未治療の高血圧がある.アロプリノールは,斑状丘疹状皮疹の発現後に中止された.この患者をどのように治療すべきであろうか?