The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 28, 2003
Vol. 349 No. 9

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 免疫性血小板減少性紫斑病に対する高用量デキサメタゾン
    High-Dose Dexamethasone in Immune Thrombocytopenic Purpura

    免疫性血小板減少性紫斑病に対する高用量デキサメタゾン

    新たに診断された免疫性血小板減少性紫斑病に対する,4 日間の高用量デキサメタゾン治療の有効性に関するこの研究では,初期に反応した患者 106 例の半数で,治療に対する反応が 2~5 年間持続した.

    免疫性血小板減少性紫斑病に対する高用量デキサメタゾンの有効性は長年議論されてきた.多数の患者を対象としたこの試験は,この疾患に対する初期治療としての,高用量デキサメタゾンの有用性を証明している.

  • HIV 治療の計画的な中断
    Structured Interruption of HIV Treatment

    この無作為試験では,多剤耐性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者を,4 ヵ月の治療中断または抗レトロウイルス療法の即時変更のいずれかに割付けた.1 年間の追跡調査後,疾患の進行は治療中断に割付けられた患者でより多く認められた.

    治療の計画的な中断は,耐性 HIV を野生型ウイルスに復帰させる結果となることが多いが,この方法は,疾患を進行させる頻度がより高く,患者にとって免疫学的にもウイルス学的にも利点はない.

  • 心臓移植におけるエベロリムス
    Everolimus in Cardiac Transplantation

    この臨床試験では,心臓移植を行った患者を対象として,免疫抑制薬であり増殖抑制剤であるエベロリムスと,アザチオプリンの比較を行った.エベロリムスは,急性拒絶反応と,移植片の劣化を起す重篤な疾患である冠動脈病変の発症率を低下させた.

    エベロリムスは,心臓移植後の拒絶反応と血管病変の管理に有望な薬剤である.

  • 局所進行膀胱癌に対する術前補助化学療法+膀胱切除術と膀胱切除術単独との比較
    Neoadjuvant Chemotherapy plus Cystectomy versus Cystectomy Alone for Locally Advanced Bladder Cancer

    局所進行膀胱癌患者を対象としたこの研究では,化学療法(メトトレキサート,ビンブラスチン,ドキソルビシン,シスプラチン)とそれに続く根治的膀胱切除による治療の結果は,根治的膀胱切除術単独での転帰よりも優れていた.

    進行膀胱癌患者の見通しは,依然として厳しい.この研究の患者の約 60%が 8 年以内に死亡した.標準的な化学療法は実行可能であるが,現状では新しい治療法が求められる.

SPECIAL ARTICLE

  • 臨床研究から臨床診療へ ― 応用が行われていない?
    Clinical Research to Clinical Practice ― Lost in Translation?

    この 50 年間,疾患の生物学の理解や,疾患の新しい予防法や治療法の考案においてかなり進歩してきた.しかし,知識を実際の患者の治療に適用するのにはかなりの遅れがある.この論文では Claud Lenfant が,みずからの Shattuck 講演に基づき,研究の知識を臨床診療に応用するさいの問題の大きさを概説し,このギャップを埋めるための提案を行っている.

CLINICAL PRACTICE

  • 神経性過食症
    Bulimia Nervosa

    20 歳の女性が疲労を訴えている.臨床検査では,血清カリウム濃度は 2.3 mmol/L,血清重炭酸塩濃度は 36 mmol/L であることが明らかになっている.女性は身長 163 cm(64 インチ),体重 54 kg(119 lb)である.身体検査所見は正常である.女性は問診で,1 日 5 回の過食と嘔吐を認めている.この患者をどのように治療すべきであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • 喉頭科学と音声外科
    Laryngology and Phonosurgery

    正常な声は,心理社会的な健康のみならず仕事を行ううえで不可欠である.声の障害は一般的に通常の会話時に明らかであるため,すべての医師は,喉頭機能障害または喉頭疾患の患者に対し,適切な評価と治療が開始できるよう備えるべきである.この喉頭科学と音声外科の総説では,声に影響を与える疾患の検出と管理における最新の進展を考察する.

CORRESPONDENCE