The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 1, 2004
Vol. 351 No. 1

ORIGINAL ARTICLE

  • 戦闘任務,精神衛生問題,およびケアに対する障壁
    Combat Duty, Mental Health Problems, and Barriers to Care

    戦闘任務,精神衛生問題,およびケアに対する障壁

    イラクとアフガニスタンでの戦闘任務から帰還した兵役従事者の多くが,銃撃を受けたり,人を殺したり,面識のあった人が負傷・死亡したなど,衝撃的な出来事を経験している.イラクから帰還し,調査に回答した陸軍・海兵隊の兵士の約 20%に心的外傷後ストレス障害があったが,その多くは治療を求めることも,受けることもしていなかった.治療に対し認識された障壁として,精神疾患であることで不名誉となる不安や,経歴に傷が付く可能性への懸念があった.

  • 総合ビタミン剤の補給と HIV の進行
    Multivitamin Supplements and Progression of HIV

    タンザニアで行われた,ヒト免疫不全ウイルスに感染した妊婦を対象とした無作為対照試験で,総合ビタミン剤補給の効果が評価された.
    総合ビタミン剤の補給により,調査した集団で,エンドポイントである死亡が減少し,疾患の進行が遅延した.このコストの低い介入を行うことで,抗ウイルス薬投与が必要となる時期を遅らせられる可能性がある.

  • 血清アルドステロン濃度と高血圧の発生率
    Serum Aldosterone and the Incidence of Hypertension

    アルドステロンは,本態性高血圧の病因として役割を果しているのであろうか? このフラミンガム心臓研究からの報告は,その可能性を示唆している.血清アルドステロン濃度が正常範囲の上限である人では,4 年以内に高血圧を発症するリスクが約 2 倍であった.したがって,血清アルドステロン濃度は,高血圧のリスクの一因であると考えられる.

BRIEF REPORT

  • 蚊が媒介する病原体による致死的な筋炎
    Fatal Myositis Due to a Mosquito Pathogen

    糖尿病と関節リウマチを有する女性が,Brachiola algerae 感染に起因する重症筋炎の合併症により死亡した.Brachiola algerae は,通常昆虫に寄生する微胞子虫である.患者は,TNF-α 阻害剤インフリキシマブを用いた免疫抑制療法を受けていた.

CLINICAL PRACTICE

  • 糖尿病性足潰瘍
    Diabetic Foot Ulcers

    糖尿病性足潰瘍

    2 型糖尿病の 58 歳の男性が,左足に無症候性の足底潰瘍を呈している.この潰瘍は 4 ヵ月間治癒していない.潰瘍は,大きさが 2×1 cm で,第 1 中足骨骨頭部の下部に胼胝を伴っている.神経学的検査では,両側で腓腹部の中位より下の触覚,針痛覚,振動覚の喪失,アキレス腱反射の消失を認める.足の脈拍は正常である.この患者をどのように評価し,治療すべきであろうか?

DRUG THERAPY

  • アルツハイマー病
    Alzheimer's Disease

    米国のアルツハイマー病の患者数は 1,320 万人に達すると予測されている.この論文では,アルツハイマー病に対する最新の治療法を考察している.最適な管理には正確な診断が必要であり,診断は病態生理の理解に基づいて行われるようになっている.神経保護療法,コリンエステラーゼ阻害薬,行動障害を軽減する可能性のある向精神薬,メマンチンなどの新規の薬剤について論じている.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 運命のいたずら?
    A Twist of Fate?

    39 歳のスリランカ人男性が,3 日間にわたる頭痛,悪寒,下痢,悪心,嘔吐,頸部硬直のため受診した.男性は,眩暈,左顔面の感覚障害,協調運動障害,構音障害が数分続いたのち,消退したことがあったと報告した.

HEALTH POLICY REPORT

  • 南アフリカ共和国における医療改革と HIV/AIDS 危機
    Health Care Reform and the Crisis of HIV and AIDS in South Africa

    この報告は,南アフリカ共和国におけるこの 10 年間の保健政策について概説している.民主主義への移行後,政府はとくに小児のために,医療を利用しやすくすることを目的とした医療改革を行った.南アフリカ共和国の人口の 10%がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染しており,AIDS は保健衛生と医療の提供に破滅的な影響を及ぼしている.南アフリカ共和国の医療制度を改革し,HIV 感染の治療と予防に向けた最適な計画を実行するための取り組みは,財源の厳しい制約によって妨げられている.