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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 11, 2005
Vol. 353 No. 6

ORIGINAL ARTICLE

  • 副甲状腺ホルモン(1-84)療法後のアレンドロン酸投与
    Alendronate after Parathyroid Hormone (1-84)

    副甲状腺ホルモンによる骨粗鬆症治療で増加した骨密度を維持するために,骨吸収抑制薬の投与が必要であるかどうかは明らかではない.著者らは以前,骨密度に関して,副甲状腺ホルモンとアレンドロン酸の併用療法には単独療法にまさる利益はないと報告していた.今回は,副甲状腺ホルモン療法後にアレンドロン酸を投与すると,増加した骨密度が維持または増加すると報告している.

  • 骨粗鬆症に対するアレンドロン酸の単独投与と副甲状腺ホルモンとの併用投与
    Alendronate Alone or with Parathyroid Hormone for Osteoporosis

    アレンドロン酸を最低 1 年間服用している骨粗鬆症の女性を,アレンドロン酸単独投与を継続する群,アレンドロン酸に加え副甲状腺ホルモン(1-34)を連日投与する群または周期的に投与する群のいずれかに,15 ヵ月間無作為に割付けた.骨形成の指標は,2 つの副甲状腺ホルモン群で共に急速に上昇したが,副甲状腺ホルモン投与を行わないサイクル中は低下し,投与再開と共にふたたび上昇した.骨吸収は両方の副甲状腺ホルモン群で上昇し,連日投与群のほうが周期的投与群よりも上昇幅が大きかった.副甲状腺ホルモンの周期的な投与により,骨形成が早期に引き起され,治療初期段階(骨形成)が後期段階(骨リモデリング)から切り離される.このことは,治療上意味をもつと思われる.

  • 中耳腔換気用チューブの早期挿入と待機挿入の比較
    Prompt versus Delayed Insertion of Tympanostomy Tubes

    中耳の滲出液が持続的にみられる 3 歳未満の小児において,早期に行う中耳腔換気用チューブ挿入は,最長 9 ヵ月後まで待機し滲出液が持続している場合に挿入する方法と比較して,6 歳の時点での発達上の転帰を改善しなかった.これらのデータは,中耳の滲出液が持続する以外は健常な小児に対して,チューブをルーチンで挿入すべきではないという現在の推奨を支持している.

  • ロッキー山紅斑熱とクリイロコイタマダニ
    Rocky Mountain Spotted Fever and Brown Dog Ticks

    アリゾナ州東部農村地帯におけるロッキー山紅斑熱の集団発生では,16 例が感染し,うち 2 例が死亡した.患者の自宅でクリイロコイタマダニの密集群が発見され,そのマダニから斑点熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)が確認された.この調査は,クリイロコイタマダニがロッキー山紅斑熱の媒介動物として関与していることを示しており,このよくみられるマダニが他の環境でも R. rickettsii を伝播する可能性が懸念される.

CLINICAL PRACTICE

  • 閉経後骨粗鬆症
    Postmenopausal Osteoporosis

    63 歳の女性が,急性腰痛を訴え受診している.女性は 44 歳で閉経したが,閉経後ホルモン補充療法を受けたことはない.また,60 歳のときにコーレス骨折を起したと報告している.女性の母親は 70 歳で大腿骨頸部を骨折した.腰椎画像では新たな脊椎骨折が認められる.大腿骨頸部の二重エネルギー X 線吸収測定法では,骨密度の T スコアは -1.3 である.この症例をどのように管理すべきであろうか?

MECHANISMS OF DISEASE

  • メタボリックシンドロームにおける RXR ヘテロダイマー
    RXR Heterodimers in the Metabolic Syndrome

    メタボリックシンドロームでみられる主な異常は,腹部肥満,アテローム性の異常脂質血症,高血圧症,インスリン抵抗性,炎症,血栓形成促進状態である.この総説は,メタボリックシンドロームにおけるレチノイド X 受容体(RXR)とそのヘテロダイマーパートナーに焦点を当てている.RXR ヘテロダイマーは,リガンド依存性の転写因子として機能する核内受容体である.リガンドは脂質であり,この系は細胞の脂質センサーとして機能する.これらの受容体の作動薬や阻害薬は,いまや広がりつつあるこの症候群に対し,有望な治療薬となる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • エストロゲン受容体陽性の早期乳癌の女性
    A Woman with Early-Stage Estrogen-Receptor- Positive Breast Cancer

    マンモグラフィで癌が検出された 58 歳の女性は,乳房温存療法を受けることを選択した.腫瘍はエストロゲン受容体とプロゲステロン受容体を発現しており,HER2/neu の増幅はみられなかった.著者らは,早期乳癌の管理選択肢と,医師が最適な治療法を選択するうえで役立つ可能性のある,新しい技術について述べている.