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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 21, 2006
Vol. 355 No. 12

ORIGINAL ARTICLES

  • 急性心筋梗塞における骨髄細胞の冠動脈内注入
    Intracoronary Bone Marrow Cells in Acute Myocardial Infarction

    心筋梗塞後の心筋細胞の再生の促進を目的として,幹細胞と前駆細胞を含む骨髄細胞の冠動脈内注入が検討されている.急性前壁心筋梗塞患者を対象としたこの試験では,心筋梗塞から 6 ヵ月後の左室機能と梗塞範囲に対して,骨髄細胞注入の効果は認められなかった.

  • 急性心筋梗塞における前駆細胞の冠動脈内注入
    Intracoronary Progenitor Cells in Acute Myocardial Infarction

    急性心筋梗塞後に骨髄由来の前駆細胞を梗塞関連冠動脈へ注入することは,駆出率の絶対上昇率 5.5%と関連していた.このわずかな心室機能の改善が長期的な臨床上の利益をもたらすかどうかを判断するには,長期間の追跡調査を含むより大規模な臨床試験が必要である.

  • 心筋梗塞後の前駆細胞の冠動脈内注入
    Transcoronary Transplantation of Progenitor Cells after Myocardial Infarction

    心筋梗塞が治癒した患者の冠動脈内に骨髄由来前駆細胞を注入したところ,全体的および局所的な左室駆出率に,中等度ではあるが有意な改善がみられた.一方,血中前駆細胞の有効性は低かった.この効果の基礎となる機序は不明である.このような手技の研究はまだ初期段階であるが,将来有望であると考えられる.

  • 発作性夜間血色素尿症に対するエクリズマブ
    Eculizumab in Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria

    エクリズマブは,終末補体活性化を阻害する C5 に対するヒト化モノクローナル抗体である.この無作為化試験では,発作性夜間血色素尿症の治療薬として,エクリズマブとプラセボを比較した.この抗体により,ヘモグロビン値が安定し,輸血の必要性が低下した.また,血管内溶血が減少することで QOL が改善した.

CLINICAL PRACTICE

  • 急性外陰腟炎
    Acute Vulvovaginitis

    24 歳の性的活動のある女性が,腟部の瘙痒と腟分泌物の増加が 3 日間続いたため受診した.女性には 1 年前にも同じ症状がみられたが,症状は市販の抗真菌薬の使用により消失した.女性は,避妊の目的で経口避妊薬を服用している.診察では外陰部に紅斑がみられ,腟分泌物の見た目は正常であることが明らかになった.この女性をどのように評価し治療すべきであろうか?

MECHANISMS OF DISEASE

  • 癌幹細胞
    Cancer Stem Cells

    この総説は,腫瘍学の中でもとりわけ生物学的・臨床的に興味深い話題である癌幹細胞について述べている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 指先の有痛性結節,息切れ,倦怠感を有する女性
    A Woman with Painful Nodules on the Fingertips, Shortness of Breath, and Fatigue

    43 歳の女性が,指先の有痛性結節,息切れ,倦怠感のため入院した.女性には 12 年前から,レイノー現象を伴う全身性エリテマトーデスがあった.入院の 2 週間前に指に有痛性結節が発現し,1 週間後,息切れと倦怠感が現れた.入院時の胸部 CT で,縦隔リンパ節腫大と肺門リンパ節腫大がみられ,肺に結節が 2 個認められた.診断検査が行われた.