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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 12, 2008
Vol. 358 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • 2 型糖尿病における血糖降下強化療法の効果
    Effects of Intensive Glucose Lowering in Type 2 Diabetes

    ACCORD 試験において,糖化ヘモグロビン値 6.0%未満を目標とした血糖降下強化療法は,予想に反し高リスクの 2 型糖尿病患者の全死亡率の上昇と関連した.この結果から,2 型糖尿病患者に対する血糖降下強化療法の,これまで認識されていなかったリスクが明らかになった.

  • 2 型糖尿病患者における強化血糖コントロールと血管系転帰の関連
    Intensive Blood Glucose Control and Vascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes

    ADVANCE 試験において,2 型糖尿病患者に対する強化血糖コントロールにより,標準的血糖コントロールと比較して腎症のリスクは低下したが,大血管イベントのリスクは低下しなかった.全死亡率に両群で有意差はみられなかった.これらの結果は,ACCORD 試験の結果と共に,2 型糖尿病患者における強化血糖コントロール療法の効果について複雑な問題を提起している.

  • 細胞培養由来 H5N1 型ウイルスワクチン
    H5N1 Vaccine Derived from Cell Culture

    トリインフルエンザ(H5N1)に対するワクチンが必要とされている.このはじめての試験で,ベロ細胞培養由来の H5N1 型全ウイルスワクチンの 2 回の投与により,H5N1 型ウイルス株のクレード 1,2,3 に対する中和抗体反応が誘導されることが示された.

  • 神経芽細胞腫に対する遺伝的感受性
    Genetic Susceptibility to Neuroblastoma

    MYCN 増幅など,神経芽細胞腫の体細胞にみられる特徴は,より悪性度の高い腫瘍と関連している.この報告では,染色体 6p22 上の変異を受け継いでいる人は,これらの変異を受け継いでいない人よりも神経芽細胞腫が発生しやすいことが示されている.

CLINICAL PRACTICE

  • グレーブス病(バセドウ病)
    Graves' Disease

    23 歳の女性が動悸で受診した.女性はこの 6 ヵ月間に体重が 10 ポンド(4.5 kg)減少した.脈拍は 119 回/分,血圧は 137/80 mmHg である.甲状腺はびまん性に肥大している.眼瞼後退がみられるが,眼球突出はない.甲状腺刺激ホルモン濃度は 0.02 μU/mL(正常範囲 0.35~4.50),遊離サイロキシン濃度は 4.10 ng/dL(正常範囲 0.89~1.76)である.今後この女性をどのように評価し,治療すべきであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • 加齢黄斑変性症
    Age-Related Macular Degeneration

    加齢黄斑変性症は,先進国の 50 歳以上の人々にみられる不可逆性の失明の主要な原因である.この論文では,加齢黄斑変性症の臨床的・組織病理学的特徴と,その遺伝的・疫学的性質について概説し,現在の管理における選択肢と研究の進歩について論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 症例 18-2008:肝移植後に頭痛と視力の変化を呈した 68 歳の男性
    Case 18-2008: A 68-Year-Old Man with Headache and Visual Changes after Liver Transplantation

    68 歳の男性が,同所性肝移植の 3.5 ヵ月後,頭痛と右眼の視力喪失が生じたため入院した.移植の 4 週間後,頭痛と顎跛行(jaw claudication)が発現し,その後右眼の視力障害が生じた.入院の 2 週間前,眼科医がプレドニゾンによる治療を開始し症状は改善したが,入院の 2 日前に悪化した.入院に際して,追加の診断検査が行われた.