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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 2, 2009
Vol. 360 No. 14

ORIGINAL ARTICLE

  • インドにおける子宮頸癌
    Cervical Cancer in India

    インド農村部において,子宮頸癌スクリーニングは医療の一環にはなっていない.この論文は,インド農村部で行われた,ヒトパピローマウイルス(HPV)検査,細胞診,酢酸を用いた子宮頸部の視診(VIA)による子宮頸癌スクリーニングに関する研究について報告している.インド農村部では,HPV 検査を 1 回行うことで,スクリーニングを受けなかった群と比べて浸潤性子宮頸癌の発生率と死亡率が有意に低下することが示された.

  • 血液透析患者におけるロスバスタチンと心血管イベント
    Rosuvastatin and Cardiovascular Events in Hemodialysis Patients

    多施設共同無作為化試験において,直近の 6 ヵ月間にスタチン投与を受けていない維持血液透析患者 2,776 例を,ロスバスタチン群とプラセボ群に無作為に割り付けた.追跡期間中央値 3.8 年の時点では,心血管系の原因による死亡,心筋梗塞,脳卒中から成る主要複合エンドポイントの発生率に,両群間で有意差は認められなかった.

  • 転移性大腸癌に対するセツキシマブと化学療法
    Cetuximab and Chemotherapy for Metastatic Colorectal Cancer

    これまでの試験では,フルオロウラシルを中心とした化学療法とセツキシマブの併用療法は,転移性大腸癌患者のサルベージ療法として有効であることが示されてきたが,今回の試験で,一次治療としても同様に有効であることが示された.この試験ではまた,セツキシマブが効果を表すためには,腫瘍の KRAS 遺伝子が野生型である必要も示された.

SPECIAL ARTICLE

  • メディケア患者の再入院
    Rehospitalizations among Medicare Patients

    2003~04 年のメディケア請求データの分析では,入院患者の 20%が,退院後 30 日以内に再入院していた.再入院した内科系患者の 50%は,退院から再入院までのあいだに一度も外来受診していないため,外来での経過観察を強化すれば再入院が減少する可能性が示唆される.

CLINICAL PRACTICE

  • 夜尿症
    Enuresis

    8 歳の男児の両親が,夜尿の評価のために男児を小児科に連れてきた.男児は学校にいるあいだに排尿しないことが多く,帰宅後にトイレに駆け込むのが常であった.学校から帰ると喉の乾きを訴え,1 日の水分摂取は午後から夜間に集中している.この男児をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • 電気痙攣療法を受ける患者の医学的評価
    Medical Evaluation of Patients Undergoing Electroconvulsive Therapy

    電気痙攣療法(ECT)施行前の患者評価で,とくに患者が高血圧,冠動脈疾患,うっ血性心不全などの疾患を有する場合には,コンサルテーションを受けた医師は,リスクを層別化し,併存疾患の管理状態を評価し,持続的な血圧上昇,心筋虚血,頭痛などの ECT 後の合併症リスクを下げる戦略をとらなければならない.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 上手な問題提起
    A Question Well Put

    高血圧とうつ病の既往を有する 51 歳の女性が,左大腿部の疼痛が数ヵ月にわたり徐々に悪化し,ここ 1 週間は歩くことができなかったと訴えている.女性はまた,全身の筋力低下と腰部・上腕・胸部の痛みを訴えている.体重減少,食欲不振,外傷,発熱はないという.