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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 23, 2009
Vol. 360 No. 17

ORIGINAL ARTICLE

  • 外科的心室再建併用・非併用下での冠動脈バイパス術
    Coronary Bypass Surgery with or without Surgical Ventricular Reconstruction

    無作為化試験において,冠動脈疾患を有する駆出率 35%以下の患者を,冠動脈バイパス術(CABG)単独群と,CABG+外科的心室再建併用群に無作為に割り付けた.主要転帰とした死亡または心疾患による入院について,中央値 48 ヵ月の時点で両群間に有意差はみられなかった.

  • 脳卒中の感受性遺伝子座
    Susceptibility Locus for Stroke

    ゲノムワイド関連研究により,染色体 12 上の遺伝子座には,脳梗塞に対する感受性があることが示された(ハザード比は約 1.3).この遺伝子座は,神経損傷に反応してグリア上での発現が亢進する細胞接着分子をコードする NINJ2 の近くに位置している.この遺伝子座に 2 番目に近い遺伝子は,血圧と高血圧に影響を及ぼす.

  • HTRA1 の変異と家族性の虚血性脳小血管障害
    HTRA1 Mutations and Familial Ischemic Cerebral Small-Vessel Disease

    形質転換成長因子 β(TGF-β)ファミリーメンバーによるシグナル伝達の異常は,遺伝性の血管障害を引き起こす.この研究では,TGF-β メンバーのシグナル伝達を抑制するプロテアーゼである HtrA セリンペプチダーゼ 1(HTRA1)の変異が,遺伝性の虚血性脳小血管障害の患者で認められることを示している.

SPECIAL ARTICLE

  • 無保険状態の発生率とその期間の変化
    Changes in the Incidence and Duration of Periods without Insurance

    全米調査のデータに基づくこの研究では,健康保険を喪失する頻度は,2001~04 年のほうが 1983~86 年よりも高かったと推定された.両調査期間のあいだに,保険を喪失した人々は民間保険よりも公的保険に加入することが多く,この結果は,民間保険を喪失した人々が加入できる公的保険制度の存在は,重要性を増したことを示唆している.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 最小侵襲人工膝関節全置換術
    Minimally Invasive Total Knee Arthroplasty

    右膝の変形性膝関節症を呈する 65 歳の女性が,最小侵襲人工膝関節全置換術について意見を求めている.関節置換術は,保存的治療を行っても中等度~重度の症状で,機能制限のみられる患者に適している.低侵襲手術は,術後疼痛を軽減し回復を早めるが,外科医に特別な専門知識と経験が要求される.

CURRENT CONCEPTS

  • 疾患の遺伝的原因を解明する
    Understanding Genetic Causes of Disease

    ゲノムワイド関連研究により,疾患感受性を付与する数多くの遺伝子変異体が明らかにされている.この論文では,ゲノムワイド関連研究について説明し,その限界の一部を解決する可能性のある新たなアプローチについて述べている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 呼吸不全と肺の空洞性病変を呈する女性
    A Woman with Respiratory Failure and a Cavitary Lesion in the Lung

    54 歳の女性が,呼吸不全,低血圧,肺の空洞性病変のため入院した.咳嗽と呼吸困難が 1 週間続いた後,急激に悪化して自宅で倒れた.救急部到着時,低血圧状態で無反応であった.胸部画像検査で,右上葉の空洞を伴う硬化像がみられた.頸静脈カテーテル挿入後,緊張性気胸を発症した.胸腔チューブの留置と人工換気を行ったが,女性は死亡した.剖検が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 自食作用とクローン病
    Autophagy and Crohn's Disease

    最近の研究で,クローン病感受性に関与するとされる遺伝子は,パネート細胞とマクロファージにおける自食作用にきわめて重大な影響を及ぼすことが示された.