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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 25, 2009
Vol. 360 No. 26

  • 急性心筋梗塞に対する血栓溶解療法後にルーチンに行う早期血管形成術
    Routine Early Angioplasty after Fibrinolysis for Acute Myocardial Infarction

    ST 上昇型急性心筋梗塞を発症し,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行できない病院で血栓溶解療法を受けた患者 1,059 例を対象に無作為化試験を行った.血栓溶解療法後,患者を,カテーテルを行うため PCI 施行施設にただちに移送する群と,血栓溶解療法が成功しなかった場合にのみ移送する群のいずれかに割り付けた.ただちに移送する戦略は,30 日後の虚血性合併症発生率の有意な低下と相関した.

    • 卵巣顆粒膜細胞腫における変異
      Mutation in Ovarian Granulosa-Cell Tumors

      体細胞に起こる変異は腫瘍形成に関与するが,通常は腫瘍組織に特異的なものである.卵巣顆粒膜細胞腫の全トランスクリプトーム(メッセンジャー RNA の全体)の配列決定から,解析した腫瘍の大半に,FOXL2 の体細胞変異が示唆された.

      • 全脳照射を行わない小児急性リンパ芽球性白血病治療
        Treating Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia without Cranial Irradiation

        小児急性リンパ芽球性白血病に関するこの大規模試験の目的は,悲惨な晩期合併症と関連する中枢神経系への予防的照射の必要性は,強化した全身・髄腔内化学療法によりなくなるかどうかを検討することであった.治療反応や毒性作用を注意深くモニタリングすることで,全脳照射を回避するだけでなく,全体の転帰を改善することも可能であることが示された.

      • BRIEF REPORT

        • 孤発性の家族性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と GNRH1 変異
          Isolated Familial Hypogonadotropic Hypogonadism and a GNRH1 Mutation

          著者らは,性腺刺激ホルモン放出ホルモン 1 をコードする遺伝子(GNRH1)の変異が,特発性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(IHH)の原因であるかどうかを検討した.IHH でともに嗅覚は正常な 10 代の兄妹において,ホモ接合性 GNRH1 フレームシフト変異を同定した.この孤発性常染色体劣性 GnRH 欠損は,GnRH のパルス投与によって回復し,GnRH がヒトの生殖機能にきわめて重要な役割を果たすことが示された.

        CLINICAL PRACTICE

        • α1-アンチトリプシン欠損症
          Alpha1-Antitrypsin Deficiency

          60 歳の白人男性が,進行する呼吸困難の評価を受けるため受診した.男性は元喫煙者で 20 箱・年の喫煙歴があり,10 年前から慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患している.COPD の家族歴はない.スパイロメトリーで重度の気流閉塞が認められ,1 秒量(FEV1)は予測値の 40%であった.α1-アンチトリプシン(AAT)の欠損を検査すべきであろうか? AAT 欠損が確認された場合には,どのように管理すべきであろうか?

        MEDICAL PROGRESS

        • アルコール性肝炎
          Alcoholic Hepatitis

          飲酒とアルコール性肝障害が関連することは十分に証明されているが,大量飲酒者で肝硬変を発症する割合はごくわずかである.この総説は,アルコール性肝障害の中でも治療可能な病型であるアルコール性肝炎に焦点を当てている.重症型アルコール性肝炎患者では,最大 40%が臨床症候群の発現から 6 ヵ月以内に死亡するため,適切な診断と治療が不可欠である.

        CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

        • 水疱性皮疹を呈する女性
          A Woman with a Blistering Cutaneous Eruption

          79 歳の女性が,水疱性皮疹のため当院の熱傷治療室に入室した.入院 5 日前に,頭部と背部に瘙痒感,腹部に皮膚病変が生じた.2 週間前に服用を始めたヒドロキシクロロキンを中止したが,皮疹は背部と上下肢に広がって痛みを伴うようになり,発熱と頭痛,そして嚥下障害を伴う咽頭痛が発現した.診断手技が行われた.