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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
September 24, 2009
Vol. 361 No. 13
ORIGINAL ARTICLES
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高齢の急性骨髄性白血病患者に対するダウノルビシン
Daunorubicin for AML in Older Patients60 歳以上の急性骨髄性白血病患者を対象に,完全寛解を目的としてシタラビンとダウノルビシンを用いた治療が行われた.ダウノルビシンは 45 mg/m2 体表面積(この薬剤の標準用量)または 90 mg/m2 の用量で投与された.高用量群では標準用量群より完全寛解率が有意に高く,毒性が増加することもなかった.
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急性骨髄性白血病に対するアントラサイクリンの用量強化
Anthracycline Dose Intensification in AML17~60 歳の急性骨髄性白血病患者を,寛解導入療法としてダウノルビシンを標準用量投与する群と,その 2 倍量を投与する高用量群に無作為に割り付けた.両群とも標準用量のシタラビンを併用した.完全寛解率と全生存期間は,高用量群,とくに細胞遺伝学的リスクプロファイルが良好または中程度の患者でもっとも優れていた.
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インフルエンザに対する不活化ワクチンと弱毒生ワクチンの効果の比較
Comparative Efficacy of Inactivated and Live Attenuated Influenza Vaccines季節性インフルエンザに対する不活化ワクチン(筋肉内投与)と弱毒生ワクチン(鼻腔内投与)の効果を比較したデータは少ない.2007~08 年のインフルエンザ流行期に,1,952 例の健常成人を対象にこれら 2 種類のワクチンの無作為化二重盲検プラセボ対照試験が行われた.不活化ワクチンの絶対効果は 68%であったのに対し,弱毒生ワクチンでは 36%であった.
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パーキンソン病に対するラサギリンの二重盲検・遅延開始試験
A Double-Blind, Delayed-Start Trial of Rasagiline in Parkinson's Diseaseこの二重盲検試験は,ラサギリンによりパーキンソン病の進行を抑制できるかどうかを検討するためにデザインされた.遅延治療と比較して,ラサギリン 1 mg/日を投与する早期治療では疾患修飾効果を示す利益が得られたが,2 mg/日投与では同等の利益を示す結果は得られなかった.
MEDICAL PROGRESS
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肝硬変における腎不全
Renal Failure in Cirrhosis腎不全は肝硬変の困難な合併症であり,肝移植のもっとも重大な危険因子の 1 つである.近年,肝硬変における腎不全の病因と自然経過の理解に大きな進歩がみられている.この総説では,肝硬変における腎不全と,この合併症の予防・管理に役立つと考えられる臨床的介入に関して最近明らかにされた情報を検討している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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再発性の尿管移行上皮癌を呈する男性
A Man with Recurrent Transitional-Cell Carcinoma of the Ureter77 歳の男性が,左尿管に腫瘤が認められ,尿細胞診で移行上皮癌陽性と出たため当院を受診した.8 年前,男性は右腎盂移行上皮癌のため右の腎尿管摘除術を受けた.数年後の尿細胞診で移行上皮癌陽性と出ていたが,今回の評価の 10 ヵ月前に画像検査で左尿管の全周性肥厚が認められるまで腫瘍は発見されなかった.治療方針が決定された.
STATISTICS IN MEDICINE
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遅延開始試験デザイン
The Delayed-Start Study Design遅延開始試験デザインは,治療による長期的な疾患進行に対する効果と,症状に対する短期的な効果の可能性を区別する新たな方法である.この論文では,この種の試験の長所と短所,および試験デザインにおける重要な仮説について検討している.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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インターフェロンαと白血病の治療
Interferon-α and the Treatment of Leukemiaマウスでは,インターフェロンαの短期投与により休眠中の造血幹細胞が増殖した.この所見は慢性骨髄性白血病患者の治療に重要な意義をもつ可能性があり,患者がはじめてインターフェロンα投与を受ける場合には,より効果的となる可能性がある.