The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 20, 2020
Vol. 383 No. 8

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 家族性高コレステロール血症に対するエビナクマブ
    Evinacumab for Familial Hypercholesterolemia

    ホモ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者 65 例において,抗 ANGPTL3 モノクローナル抗体であるエビナクマブを使用することで,24 週の時点での LDL コレステロール値はベースラインから低下したのに対し,プラセボでは若干上昇し,群間差は 49.0 パーセントポイントであった.

  • 糖尿病に対する食事療法と胃バイパス術とによる効果の比較
    Effects of Diet vs. Gastric Bypass in Diabetes

    この研究では,Roux-en-Y 法胃バイパス術を行った糖尿病患者と食事療法のみを行った糖尿病患者で体重の減少量をマッチさせ,代謝への効果を比較した.主要評価項目とした肝臓インスリン感受性の変化は 2 群で同程度であった.したがって,この結果を説明するのは体重減少そのものであり,体重減少とは独立した効果ではない.

  • 透析用動静脈瘻の機能不全に対する薬剤コーティングバルーン
    Drug-Coated Balloons for Dysfunctional Dialysis Arteriovenous Fistulas

    この無作為化試験では,上肢の自己動静脈瘻に狭窄がある血液透析患者が,最初の経皮的血管形成術に成功した後に薬剤コーティングバルーン血管形成または標準的なバルーン血管形成術を受けた.薬剤コーティングバルーンは,標準的なバルーンに対して優越性を示し,回路に関連する重篤な有害事象に関しては非劣性を示した.

  • ビスホスホネート製剤による骨折リスクと骨折予防との比較
    Fracture Risk vs. Fracture Prevention with Bisphosphonates

    ビスホスホネート製剤の投与を受けている 50 歳以上の女性を対象としたこの研究では,非定型大腿骨骨折のリスクは,予防された大腿骨近位部骨折およびその他の骨折の発生数と比較して,非常に小さかった.非定型骨折のリスクはビスホスホネート製剤の使用期間に伴って上昇し,ビスホスホネート製剤の中止後速やかに低下した.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 意識障害と左半身脱力を呈する女性
    A Woman with Altered Mental Status and Weakness on the Left Side

    60 歳の女性が,Covid-19 パンデミック中に意識障害と左半身脱力で受診した.頭部の拡散強調 MRI では右内包後脚に拡散制限の点状病変を認めたが,FLAIR(fluid-attenuated inversion recovery)像では対応する異常を認めなかった.治療方針を決定した.

SPECIAL REPORT

  • パンデミック進行中における「営業再開」という課題
    Challenges of “Return to Work” in an Ongoing Pandemic

    著者らは,従業員や顧客のあいだでの Covid-19 の伝播を防ぐにあたって商業組織が直面する公衆衛生上の課題について論じる.社会的距離確保(ソーシャルディスタンシング)のように単純な手段から,検査や接触者追跡のように費用のかかる複雑な手段まで,伝播を減らす戦略の利点と限界についても論じる.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 溶連菌感染後膿疱症
    Poststreptococcal Pustulosis

    溶連菌感染後膿疱症

    47 歳の男性が,A 群β溶血性連鎖球菌咽頭炎の診断を受けてから 1 週間後に両手に出現した膿疱を主訴に受診した.溶連菌感染後膿疱症と診断された.

REVIEW ARTICLE

  • 三叉神経痛
    Trigeminal Neuralgia

    三叉神経痛

    三叉神経痛は,重度の発作性顔面痛で発症する.典型的三叉神経痛は,血管による三叉神経根の圧迫が原因で生じる.ナトリウムチャネル遮断薬が第一選択薬であり,効果がない場合には,微少血管減圧術または切除術を行う.

NEJM QUICK TAKE

  • 糖尿病における代謝機能を改善する
    Improving Metabolic Function in Diabetes

    糖尿病における代謝機能を改善する

    肥満手術は代謝機能を改善し,胃バイパス術は血糖コントロールに特異な利益をもたらすことが複数の研究から示唆されているが,そのような研究の結果には,それぞれの手技を受ける患者で体重減少に差があることで交絡が生じている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 脆弱な集団にブプレノルフィンを届ける
    Getting Buprenorphine to Vulnerable Populations

    脆弱な集団にブプレノルフィンを届ける

    Justin Berk が,刑務所から出所したばかりの患者に,オピオイド使用障害の治療を開始することについて論じる.