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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 16, 2021
Vol. 385 No. 12

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 代替塩と心血管イベント
    Salt Substitution and Cardiovascular Events

    クラスター無作為化試験で,中国の村落が代替塩(質量の 75%が塩化ナトリウム,25%が塩化カリウム)を使用する群と通常の塩を使用する群に 1:1 の割合で割り付けられた.参加者は脳卒中の既往を有するか,60 歳以上で血圧が高かった.脳卒中,主要心血管イベント,死亡の発生率は代替塩群のほうが低く,重篤な有害作用も明らかなものは認められなかった.

  • mRNA Covid-19 ワクチン BNT162b2 の安全性
    Safety of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine

    170 万人を超える人々において,BNT162b2 ワクチンの接種は,心筋炎(リスク比 3.24),リンパ節腫脹,虫垂炎,帯状疱疹のリスク増加と関連することが示された.一方 Covid-19 は,心筋炎(リスク比 18.28),心膜炎,不整脈,深部静脈血栓症,肺塞栓症,心筋梗塞,頭蓋内出血,血小板減少症のリスク増加と関連することが示された.

  • 前立腺癌に対するルテチウム-177–PSMA-617
    Lutetium-177–PSMA-617 in Prostate Cancer

    転移性去勢抵抗性前立腺癌患者において,ベータ線放出アイソトープであるルテチウム-177 を,前立腺特異的膜抗原を標的とする放射性リガンド 177Lu–PSMA-617 を用いて前立腺癌病変に誘導する方法と標準治療の併用を,標準治療と比較した.放射性リガンド療法は,無増悪生存期間と全生存期間を延長した.有害作用の発生頻度は放射性リガンド療法のほうが高かったが,QOL は維持された.

  • マラウイの小児における腸チフスワクチン
    Typhoid Vaccine in Malawian Children

    マラウイの生後 9 ヵ月~12 歳の小児 28,130 例において,腸チフス Vi 多糖体結合型ワクチン(Vi-TCV)の有効性を評価した.血液培養で確認された腸チフスの発生率は,Vi-TCV を接種した児のほうが対照ワクチンを接種した児よりも有意に低かった.

  • ジカウイルス感染症に対する DNA ワクチン
    DNA Vaccine against ZIKV Infection

    ジカウイルス感染症は,治療や予防のための特異的な治療法もワクチンも明らかになってない.この報告では,ジカウイルス感染症に対する DNA ワクチンの第 1 相試験から得られた有望なデータを提示する.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • Covid-19 に罹患し,自殺念慮を有する女性
    A Woman with Covid-19 and Suicidal Ideation

    37 歳の女性が,Covid-19 パンデミック時に自殺念慮のため入院した.女性はそれまでに 2 回,Covid-19 に一致する症状で受診し,自宅隔離を要請されていた.3 回目の評価時,自宅隔離を要請され,女性は自殺念慮を訴えた.管理の意思決定がなされた.

CLINICAL DECISIONS

  • 心内膜炎に対する抗菌薬の経口投与と静脈内投与との比較
    Oral versus Intravenous Antibiotics for Endocarditis

    心内膜炎の治療に関するこの双方向性の特集記事では,症例を提示し,抗菌薬の静脈内投与を 6 週間継続することを支持するエッセイと,数週間の静脈内投与後に経口投与へ切り替えることを支持するエッセイの 2 つを紹介している.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 結膜カポジ肉腫
    Conjunctival Kaposi’s Sarcoma

    結膜カポジ肉腫

    50 歳の男性が,左眼の赤い病変と,皮膚の紫色の斑を訴えて受診した.HIV-1 感染検査は陽性であった.皮膚生検で結膜に生じたカポジ肉腫と診断された.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 急性虫垂炎の保存的抗菌薬治療
    Nonoperative Antibiotic Treatment of Acute Appendicitis

    急性単純性虫垂炎の治療では,虫垂切除術や,保存的治療(疼痛コントロール,抗菌薬投与,注意深い経過観察)が行われる.それぞれの利点と欠点について患者と話し合うべきである.抗菌薬投与を受けた患者の 30~40%がその後 5 年間に虫垂切除術を受けるとみられるが,その範囲は患者背景と診療パターンによって変動する可能性がある.

NEJM QUICK TAKE

  • 代替塩と心血管イベント
    Salt Substitute and Cardiovascular Events

    食事からのナトリウム摂取量が多く,カリウム摂取量が少ないことは,血圧上昇,および心血管疾患・若年死のリスク増加と関連する.通常の塩に含まれるナトリウムの一部をカリウムに置き換えた代替塩は,血圧を低下させることができるが,安全であるのか,また心血管転帰を改善するのかは不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 前立腺癌に対するルテチウム-177–PSMA-617
    Lutetium-177–PSMA-617 for Prostate Cancer

    前立腺癌に対するルテチウム-177–PSMA-617

    転移性去勢抵抗性前立腺癌は,現在の治療では治癒しない.この試験では,アンドロゲン受容体経路遮断薬とタキサン系薬による治療にもかかわらず転移した去勢抵抗性前立腺癌に対して,標準治療と放射性リガンド療法であるルテチウム-177–PSMA-617 の併用を評価した.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • パブリックオプションの探求
    Exploring a Public Option

    パブリックオプションの探求

    Erin Fuse Brown が,パブリックオプションとして医療保険プランを制定した米国の州から得られる教訓について論じている.