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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 14, 2022
Vol. 387 No. 2

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 母体のワクチン接種と乳児における Covid-19
    Maternal Vaccination and Covid-19 among Infants

    生後 6 ヵ月未満の,Covid-19 により入院した乳児を症例,Covid-19 を有さず入院した乳児を対照としたこの研究では,症例群のほうが,母体が妊娠中に mRNA ワクチンの接種を受けている割合が少なかった.乳児の Covid-19 による入院の予防における母体のワクチン接種の有効率は,全体では 52%であり,また,デルタ株流行期のほうがオミクロン株流行期よりも高かった.

  • 肺癌に対する経口 KRASG12C 阻害薬アダグラシブ
    Adagrasib, Oral KRASG12C Inhibitor, in Lung Cancer

    治療歴のある KRASG12C 変異陽性非小細胞肺癌患者にアダグラシブを投与したところ,客観的奏効率は 43%,全生存期間の中央値は 12.6 ヵ月であった.評価しえた患者の 1/3 で,神経学的に安定した脳転移巣の縮小が認められた.有害事象の大部分は消化器系の毒性であったが,投与を中止した患者は 7%未満であった.

  • 骨髄腫に対する継続維持療法
    Continuous Maintenance Therapy in Myeloma

    大規模国際共同無作為化試験で,3 剤併用療法(レナリドミド,ボルテゾミブ,デキサメタゾン)と自家幹細胞移植を受け,その後レナリドミド継続維持療法を受けた患者では,3 剤併用療法のみを受けた患者と比較して無増悪生存期間が延長した.

  • 低酸素性虚血性脳症に対するエリスロポエチン
    Erythropoietin for Hypoxic–Ischemic Encephalopathy

    多施設共同無作為化試験で,低酸素性虚血性脳症に対して低体温療法中の新生児にエリスロポエチンの投与が行われた.プラセボが投与された症例と比較して,生後 22~36 ヵ月の時点での死亡または神経発達障害のリスクが低下することはなく,重篤な有害事象の発生率が上昇した.

REVIEW ARTICLE

  • 補体阻害後のブレイクスルー溶血
    Breakthrough Hemolysis after Complement Inhibition

    補体阻害後のブレイクスルー溶血

    発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に関連する赤血球溶血は,近位補体および終末補体カスケードの阻害薬でコントロールできることが多いが,一部の患者ではブレイクスルー溶血が起こる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱と咳嗽を呈する女児
    A Girl with Fever and Cough

    17 歳の女児が,発熱と咳嗽が持続したため入院した.クレアチニン値上昇とヘモグロビン低値が認められた.診断のための検査が行われた.

EDITORIAL

  • 発癌性 RAS 蛋白を標的とする
    Targeting Oncogenic RAS Protein

    発癌性 RAS 蛋白を標的とする

    著者らは,アダグラシブを投与された非小細胞肺癌患者で,客観的奏効が得られたことの背景にある科学を検討している.アダグラシブは,これまで「創薬不可能」と考えられてきた癌遺伝子 KRAS の変異型の阻害薬である.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 迷路気腫と蝸牛気腫
    Pneumolabyrinth and Pneumocochlea

    46 歳の男性が,2 m の高さから後方に転落した後,耳鳴と浮動性めまいを訴えて受診した.CT 画像で,迷路気腫と蝸牛気腫を伴う後頭骨・右側頭骨の骨折が認められた.

NEJM QUICK TAKE

  • KRASG12C 変異陽性肺癌に対するアダグラシブ
    Adagrasib in KRASG12C-Mutated Lung Cancer

    KRASG12C 変異陽性非小細胞肺癌患者には,有効な治療選択肢がほとんどない.KRASG12C 阻害薬アダグラシブは,初期の試験で有望な抗腫瘍活性を示した.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 骨髄腫に対する 3 剤併用療法,移植,維持療法
    Triplet Therapy, Transplantation, and Maintenance in Myeloma

    骨髄腫に対する 3 剤併用療法,移植,維持療法

    新たに多発性骨髄腫と診断された患者に対し,3 剤併用療法に加えて自家幹細胞移植を行い,その後長期間レナリドミド維持療法を行うことの効果は明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 新生児の低酸素性虚血性脳症に対するエリスロポエチン
    Erythropoietin for Hypoxic–Ischemic Encephalopathy in Newborns

    新生児の低酸素性虚血性脳症に対するエリスロポエチン

    低体温療法により,低酸素性虚血性脳症の新生児の転帰改善が可能であるが,その利益は限定的である.エリスロポエチンが補助療法の候補として提案されている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 価値に基づく支払いと公平性
    Value-Based Payment and Equity

    価値に基づく支払いと公平性

    Rishi Wadhera が,価値に基づく支払いプログラムの不公平な影響と,公平性の懸念に対応するための新たなモデルについて論じている.