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March 21, 2002 Vol. 346 No. 12

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ショック抵抗性心室細動に対するアミオダロンとリドカインとの比較
Amiodarone as Compared with Lidocaine for Shock-Resistant Ventricular Fibrillation

P. DORIAN AND OTHERS

背景

リドカインは,除細動器電気ショックによる回復に抵抗を示す心室細動患者に対して推奨された最初の抗不整脈薬である.われわれは,院外心停止を起した患者において,除細動の補助的手段としてのリドカイン静脈内投与とアミオダロン静脈内投与を比較する無作為試験を実施した.

方 法

3 回のショック,エピネフリン静脈内投与,およびそれ以降のショックに抵抗を示す院外心室細動を起した患者;または初期に除細動が成功したあとに心室細動再発を起した患者を登録した.患者は,アミオダロンとリドカインプラセボの静脈内投与,またはリドカインとアミオダロンプラセボの静脈内投与に,二重盲検法で無作為に割付けられた.主要エンドポイントは,生存して入院する患者の比率とした.

結 果

計 347 例(平均[±SD ]年齢,67±14 歳)を登録した.救急救命士が心停止の現場に派遣されてから到着するまでの平均時間は 7±3 分であり,派遣から薬剤投与までの平均時間は 25±8 分であった.アミオダロン投与後,生存して入院したのは,患者 180 例のうち 22.8%であり,これに対してリドカイン投与患者では 167 例のうち 12.0%であった(p=0.009;オッズ比,2.17;95%信頼区間,1.21~3.83).派遣から薬剤投与までの時間が中央値(24 分)と等しいかそれより短かった患者では,アミオダロン投与群の 27.7%,リドカイン投与群の 15.3%が生存して入院した(p=0.05).

結 論

ショック抵抗性院外心室細動患者では,リドカインに比べて,アミオダロンを投与するほうが生存して入院する率が高くなる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 884 - 90. )