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December 12, 2002 Vol. 347 No. 24

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下肢を脅かす外傷を負ったさいの再建または切断に関する転帰解析
An Analysis of Outcomes of Reconstruction or Amputation after Leg-Threatening Injuries

M.J. BOSSE AND OTHERS

背景

多くの外傷センターでは,下肢の重度の外傷に対する一次治療として,切断の代りに下肢温存が行われている.しかし,下肢再建または切断後の長期転帰は,十分に評価されていない.

方 法

再建または切断にいたる重度の下肢外傷を負った患者 569 例の機能的転帰を確認するため,多施設共同前向き観察研究を行った.主要転帰指標は,自己申告による健康状態の多次元評価尺度である,疾患影響プロファイル(Sickness Impact Profile:スコア範囲 0~100;一般集団の平均スコアは 2~3,10 を超えるスコアは重度の障害を示す)とした.二次的転帰は,下肢の状態および再入院にいたる重大な合併症の有無とした.

結 果

2 年後,切断群と再建群で,疾患影響プロファイルのスコアに有意差は認められなかった(12.6 対 11.8,P=0.53).患者および損傷の特性で補正すると,切断を受けた患者の機能的転帰は,再建を受けた患者とほぼ同様であった.疾患影響プロファイルのスコアが不良であることの予測因子は,重大な合併症による再入院,低い教育レベル,有色人種,貧困,個人健康保険未加入,不良な社会的支援ネットワーク,低い自己効力感(生活活動を再開できるという患者の自信),喫煙,障害補償訴訟への関与であった.再建を受けた患者は,切断を受けた患者よりも再入院する可能性が高かった(47.6% 対 33.9%,P=0.002).切断群と再建群のほぼ同じ割合の患者が,2 年後までに仕事に復帰した(それぞれ 53.0% 対 49.4%).

結 論

切断の危険性が高い下肢を有する患者は,2 年転帰は概して,再建と切断で同等であるという助言を受けることができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1924 - 31. )