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July 25, 2002 Vol. 347 No. 4

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新生児における早期発症 B 群連鎖球菌性疾患の予防策の住民をベースにした比較
A Population-Based Comparison of Strategies to Prevent Early-Onset Group B Streptococcal Disease in Neonates

S.J. SCHRAG AND OTHERS

背景

1996 年に米国で発布されたガイドラインは,分娩時抗菌薬予防投与の対象候補を同定するために,培養によって妊娠女性の B 群連鎖球菌保菌状態をスクリーニングするか(スクリーニング・アプローチ)あるいは臨床的危険因子を評価すること(リスク・ベース法)を推奨している.

方 法

多州にわたる後ろ向きコホート研究において,(生後 7 日未満の乳児における)早期発症 B 群連鎖球菌性疾患を予防するうえでのスクリーニング法とリスク・ベース法の有効性を比較した.B 群連鎖球菌感染の能動的監視が行われた 8 地域での 1998 年と 1999 年における出生 629,912 例からの層別化無作為標本を検討した.標本には,新生児が早発性疾患を罹患した全出生例を含めた.B 群連鎖球菌の培養に関して記録のない女性は,リスク・ベース法によるケアを受けたと判断した.

結 果

早期発症 B 群連鎖球菌性疾患に罹患した新生児 312 例を含む出生 5,144 例を検討した.出産前スクリーニングは母親の 52%で記録されていた.早発性疾患のリスクは,スクリーニングを受けた女性の乳児のほうがリスク・ベース群よりも有意に低かった(補正相対リスク 0.46;95%信頼区間 0.36~0.60).医療提供者に抗菌薬の予防的投与の方針がない女性を,リスクに基づく群で誤って分類した可能性があるので,危険因子を保有し予防的投与のための十分な時間があったにもかかわらず抗菌薬投与を受けなかった女性をすべて除外した.この二次的分析においても,スクリーニング法に関連した早期発症疾患の補正相対リスクは同様で,0.48 であった(95%信頼区間 0.37~0.63).

結 論

妊娠時の B 群連鎖球菌の日常的スクリーニングは,リスク・アプローチよりも早期発症疾患をより多く予防する.両方針を同等のものとして是認する勧告には,再考が必要である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 233 - 9. )