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September 12, 2002 Vol. 347 No. 11

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世界貿易センター敷地における消防士の咳嗽と気道反応性
Cough and Bronchial Responsiveness in Firefighters at the World Trade Center Site

D.J. PREZANT AND OTHERS

背景

世界貿易センターの崩壊中および崩壊後,ニューヨーク市消防署員は,さまざまな吸引物質に曝露された.われわれは,曝露後に重度の咳嗽を発症した一連の消防士 332 名の臨床的特徴と,曝露レベルにより分類された,重度の咳嗽のない消防士における気道過敏性の有病率と重症度とを評価した.

方 法

「世界貿易センター咳嗽」は,世界貿易センター敷地での曝露のあとに発症した持続的な咳嗽で,4 週間以上疾病休暇が必要なほど重い呼吸器症状を伴うものと定義された.曝露された消防士の評価として,標準的な質問票の記入,肺活量測定,気道反応性検査および胸部 X 線検査を行った.

結 果

2001 年 9 月 11 日以後 6 ヵ月間に,世界貿易センター咳嗽が,曝露レベルが高い消防士 1,636 名中 128 名(8%),曝露レベルが中程度の消防士 6,958 名中 187 名(3%),曝露レベルが低い消防士 1,320 名中 17 名(1%)に生じた.さらに,95%が呼吸困難の症状を示し,87%が胃食道逆流性疾患を示し,54%が鼻閉を示した.世界貿易センター咳嗽の治療前に検査を受けた消防士のうち,63%(237 名中 149 名)が気管支拡張薬に反応し,24%(37 名中 9 名)が気道過敏性を示した.胸部 X 線検査の所見は,世界貿易センター咳嗽を有する 332 名中 319 名では,崩壊前の所見と変化していなかった.重症の咳嗽のないコホートでは,曝露レベルが高い消防士 77 名(23%)および曝露レベルが中程度の消防士 26 名(8%)に気道過敏性が認められた.

結 論

世界貿易センターの崩壊中に発生した物質への集中的短期曝露は,気道反応性および咳嗽の発症と関連があった.臨床的および生理的重症度は曝露の強さと相関していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 806 - 15. )