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July 11, 2002 Vol. 347 No. 2

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C 型肝炎ウイルス感染の治療後の有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫の寛解
Regression of Splenic Lymphoma with Villous Lymphocytes after Treatment of Hepatitis C Virus Infection

O. HERMINE AND OTHERS

背景

疫学的研究には,C 型肝炎ウイルス(HCV)感染と一部の B 細胞性非ホジキンリンパ腫の関連を示唆するものがある.われわれは,有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫患者が HCV 感染に対する抗ウイルス治療後に血液学的反応を示したあと,この研究を行った.

方 法

有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫に HCV 感染を併発した患者 9 例に対し,インターフェロン α 2b(300万 IU を週 3 回)の単独投与,あるいはリバビリン(1 日 1,000~1,200 mg を投与)との併用投与のいずれかを行った.転帰は,同様の治療を受けた,有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫で HCV 感染陰性の患者 6 例と比較した.

結 果

インターフェロン α 投与の HCV 感染患者 9 例のうち 7 例は,検出可能な HCV の RNA が消失したあと完全寛解した.ほかの 2 例は,リバビリンを追加投与し検出可能な HCV RNA が消失したあと,1 例が部分寛解,もう 1 例が完全寛解した.1 例では,HCV RNA 量が再び血中で検出されたさいに再発がみられた.一方 HCV 陰性患者 6 例は,いずれもインターフェロン療法に反応しなかった.

結 論

HCV に感染している,有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫患者では,インターフェロンによる治療がリンパ腫の寛解をもたらすことができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 89 - 94. )