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January 23, 2003 Vol. 348 No. 4

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血清レチノール濃度と骨折のリスク
Serum Retinol Levels and the Risk of Fracture

K. Michaelsson, H. Lithell, B. Vessby, and H. Melhus

背景

動物を用いた研究や疫学研究では,ビタミン A の高摂取が,骨脆弱性の増大と相関していることが示唆されているが,ビタミン A 摂取状態の生物学的マーカーが,ヒトの骨折リスクを評価するために使用されたことはいままでのところない.

方 法

49~51 歳の男性 2,322 例を,住民ベースの経時的コホート研究に組み入れた.組み入れ時に採取した試料から,血清中のレチノールと β カロチンを分析した.30 年の追跡期間中に,男性 266 例で骨折が確認された.血清レチノール濃度による骨折リスクの算出には,Cox 回帰分析を用いた.

結 果

骨折のリスクは,血清レチノール濃度が非常に高値であった男性でもっとも高かった.血清レチノールの五分位数における最上位群(>75.62 μ g/dL[2.64 μ mol/L])を中間位群(62.16~67.60 μ g/dL[2.17~2.36 μ mol/L])と比較した骨折リスクの多変量解析では,率比は,全骨折では 1.64(95%信頼区間 1.12~2.41)であり,大腿骨頸部骨折では2.47(95%信頼区間 1.15~5.28)であった.骨折のリスクは,血清レチノールが五分位数の最上位群でさらに増加した.レチノール濃度が第 99 パーセンタイル(>103.12 μ g/dL[3.60 μ mol/L])の男性では,全骨折リスクは,より低濃度の男性のリスクの 7 倍を超えていた(P<0.001).血清 β カロチン濃度は,骨折のリスクと関連していなかった.

結 論

われわれの知見は,動物を用いた研究や in vitro および疫学的な食物研究の結果と一致しており,多数の西洋諸国における現在のビタミン A の補給と食品への添加量を再評価する必要があるかもしれないことを示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 287 - 94. )