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January 8, 2004 Vol. 350 No. 2

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営利医療保険または非営利医療保険に加入しているメディケア受給者による高額手術の利用
Use of High-Cost Operative Procedures by Medicare Beneficiaries Enrolled in For-Profit and Not-for-Profit Health Plans

E.C. Schneider, A.M. Zaslavsky, and A.M. Epstein

背景

営利医療保険は非営利医療保険と比較して,治療の利用,とくに高額手術の利用を制限することで報奨金に対処している可能性が高いと広く考えられている.最近まで,この問題を検討したデータは限られていた.

方 法

12 種類の一般的な高額手術の利用率が,営利医療保険では非営利医療保険と比較して低いという仮説を検証した.1997 年に 254 種類の医療保険に加入していた 65 歳以上のメディケア受給者 372 万 6,065 人に関する,標準化された Medicare HEDIS データを用いて,心臓カテーテル法,冠動脈バイパス術,経皮的冠動脈形成術,頸動脈内膜剥離術,大腿骨骨折整復,人工股関節全置換術,人工膝関節全置換術,部分的結腸切除術,開腹胆嚢出術,腹腔鏡下胆嚢出術,子宮摘出術,前立腺切除術の利用率について,営利保険と非営利保険とを比較した.社会人口統計学的ケースミックス,ならびに保険の所在地などの税負担以外の医療保険の特徴を補正して比較を行った.

結 果

頸動脈血管内膜剥離術,心臓カテーテル法,冠動脈バイパス術,経皮的冠動脈形成術の利用率は,営利医療保険で非営利医療保険よりも高かった.その他の一般的な高額手術の利用率は,両タイプの保険でほぼ同等であった.加入者のケースミックスとその他の保険の特徴で補正後,営利保険では,検討した 12 種類の手術中 2 種類の利用率が非営利保険と比較して有意に高く,利用率が低いものはなかった.これらの所見は医療保険の所在地によっては説明されなかった.

結 論

報奨金の影響を受けている可能性があるというわれわれの予想に反し,高額手術の利用率は,非営利医療保険の加入者と比較して,営利医療保険に加入している受給者で低いということはなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 143 - 50. )