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August 6, 2009 Vol. 361 No. 6

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C 型肝炎の治療におけるリバビリン併用下でのペグインターフェロン α-2b・α-2a の比較
Peginterferon Alfa-2b or Alfa-2a with Ribavirin for Treatment of Hepatitis C Infection

J.G. McHutchison and Others

背景

慢性 C 型肝炎ウイルス(HCV)感染の治療ガイドラインでは,ペグインターフェロン(PEG-IFN)α-2b またはPEG-IFN α-2a とリバビリンの併用が推奨されている.しかし,これらのレジメンの十分な比較はなされていない.

方 法

118 施設において,HCV 遺伝子型 1 型で治療歴のない患者を,以下の 3 つのレジメンのいずれかに無作為に割り付け,48 週間治療を行った;標準用量のPEG-IFN α-2b(1.5 μg/kg/週)+リバビリン 800~1,400 mg/日,低用量のPEG-IFN α-2b(1.0 μg/kg/週)+リバビリン 800~1,400 mg/日,PEG-IFN α-2a(180 μg/週)+リバビリン 1,000~1,200 mg/日.持続陰性化率,安全性・有害事象プロファイルを,標準用量と低用量のPEG-IFN α-2b レジメン間,標準用量のPEG-IFN α-2b レジメンとPEG-IFN α-2a レジメン間で比較した.

結 果

3,070 例を対象とした.持続陰性化率はレジメン間で同等であり,標準用量 PEG-IFN α-2b 群 39.8%,低用量 PEG-IFN α-2b 群 38.0%,PEG-IFN α-2a 群 40.9%であった(標準用量 PEG-IFN α-2b 群と低用量 PEG-IFN α-2b 群の比較について P=0.20,標準用量 PEG-IFN α-2b 群とPEG-IFN α-2a 群との比較について P=0.57).陰性化率の差の推定値は,標準用量PEG-IFN α-2b 群と低用量 PEG-IFN α-2b 群のあいだでは 1.8%(95%信頼区間 [CI] -2.3~6.0)であり,標準用量 PEG-IFN α-2b 群とPEG-IFN α-2a 群のあいだでは -1.1%(95% CI -5.3~3.0)であった.再発率は,標準用量 PEG-IFN α-2b 群では 23.5%(95% CI 19.9~27.2),低用量 PEG-IFN α-2b 群では 20.0%(95% CI 16.4~23.6),PEG-IFN α-2a 群では 31.5%(95% CI 27.9~35.2)であった.安全性プロファイルは 3 群間で同等であり,重篤な有害事象は患者の 8.6~11.7%に認められた.4 週目に HCV RNA 濃度が検出不能であった患者の 86.2%と,12 週目に HCV RNA 濃度が検出不能であった患者の 78.7%で,持続陰性化が得られた.

結 論

HCV 遺伝子型 1 型 HCV 患者において,リバビリン併用下の PEG-IFN α-2b・α-2a レジメンのあいだにも,PEG-IFN α-2b の標準用量・低用量レジメンのあいだにも,持続陰性化率と忍容性に有意差は認められなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00081770)

本論文(10.1056/NEJMoa0808010)は,2009 年 7 月 22 日に NEJM.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 580 - 93. )