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March 25, 2010 Vol. 362 No. 12

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中国の男女における糖尿病有病率
Prevalence of Diabetes among Men and Women in China

W. Yang and Others

背景

中国では生活様式が急速に変化したため,糖尿病の蔓延が懸念されている.われわれは,2007 年 6 月~2008 年 5 月に中国全土で調査を行い,中国人成人の糖尿病有病率を推定した.

方 法

中国全土を代表する標本集団として,14 の省と自治区から 20 歳以上の成人 46,239 人が調査に参加した.参加者は,1 晩の絶食後,経口ブドウ糖負荷試験を受け,空腹時血糖値と 2 時間後血糖値を測定し,未診断の糖尿病と糖尿病前症(すなわち空腹時血糖値異常または耐糖能異常)を同定した.過去に糖尿病と診断されたことがあるかどうかは,自己報告に基づいて確認した.

結 果

すべての糖尿病(過去に診断されていた糖尿病と診断されていなかった糖尿病)と糖尿病前症の年齢調整有病率は,それぞれ 9.7%(男性 10.6%,女性 8.8%)と 15.5%(男性 16.1%,女性 14.9%)であった.これは,糖尿病の成人が 9,240 万人(男性 5,020 万人,女性 4,220 万人),糖尿病前症の成人が 1 億 4,820 万人(男性 7,610 万人,女性 7,210 万人)いることに相当する.糖尿病有病率は,年齢が高くなるにつれ上昇し(20~39 歳で 3.2%,40~59 歳で 11.5%,60 歳以上で 20.4%),また体重が重くなるにつれても上昇した(体格指数 [BMI,体重 kg/身長 m2] が 18.5 未満で 4.5%,18.5~24.9 で 7.6%,25.0~29.9 で 12.8%,30.0 以上で 18.5%).糖尿病有病率は,都市部居住者のほうが農村部居住者に比べて高かった(11.4% 対 8.2%).耐糖能異常のみの有病率は,空腹時血糖値異常のみの有病率より高かった(男性で 11.0% 対 3.2%,女性で 10.9% 対 2.2%).

結 論

これらの結果から,中国では糖尿病が重大な公衆衛生問題の一つになっており,糖尿病の予防と治療を目的とする戦略が必要であることが示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 1090 - 101. )