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April 14, 2011 Vol. 364 No. 15

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僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的修復と手術の比較
Percutaneous Repair or Surgery for Mitral Regurgitation

T. Feldman and Others

背景

僧帽弁修復は,逆流ジェットの起始部にある弁尖の辺縁をクリップで寄せて接合する,試験段階の経皮的手技によって得られる可能性がある.

方 法

中等症または重症(グレード 3+または 4+)の僧帽弁閉鎖不全症患者 279 例を,経皮的修復を行う群と,従来の僧帽弁形成術または僧帽弁置換術を行う群のいずれかに,2:1 の割合で無作為に割り付けた.有効性の主要複合エンドポイントは,12 ヵ月の時点で死亡していないこと,僧帽弁機能不全に対する手術が行われていないこと,グレード 3+または 4+の僧帽弁閉鎖不全症がみられないこととした.安全性の主要エンドポイントは,30 日以内の重大な有害事象の複合とした.

結 果

12 ヵ月の時点で,有効性の主要エンドポイントの発生率は,経皮的修復群 55%,手術群 73%であった(P=0.007).主要エンドポイントの各項目の発生率は,死亡は両群とも 6%であり,僧帽弁機能不全に対する手術は経皮的修復群 20%に対し手術群 2%,グレード 3+または 4+の僧帽弁閉鎖不全症は経皮的修復群 21%に対し手術群 20%であった.30 日の時点での重大な有害事象の発生率は,経皮的修復群 15%,手術群 48%であった(P<0.001).12 ヵ月の時点で,両群とも左室の大きさ,ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類,QOL 指標が,ベースラインと比べて改善していた.

結 論

僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的修復は,従来手術と比べて,症状軽減への有効性は低かったが,より安全性に優れ,臨床転帰は同程度に改善した.(Abbott Vascular 社から研究助成を受けた.EVEREST II ClinicalTrials.gov 番号:NCT00209274)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1395 - 406. )