February 24, 2011 Vol. 364 No. 8
100 万人超のアジア人における体格指数と死亡リスクとの関連
Association between Body-Mass Index and Risk of Death in More Than 1 Million Asians
W. Zheng and Others
体格指数(BMI)と全死因死亡リスク,死因別死亡リスクとの関連を評価した研究のほとんどは,ヨーロッパ系集団を対象として行われている.
アジアで募集した 19 のコホート集団の 110 万人を超える人々を対象に,BMI と死亡リスクとの関連を評価するためのプール解析を行った.解析には,平均 9.2 年の追跡期間中に発生した死亡約 120,700 件を含めた.Cox 回帰モデルを用いて交絡因子を補正した.
中国,日本,韓国を含む東アジアのコホート集団では,BMI(体重 [kg]/身長 [m2])が 22.6~27.5 の人の死亡リスクがもっとも低かった.死亡リスクは BMI がこの範囲を上回る人と下回る人で上昇し,BMI が 35.0 を超える人で 1.5 倍,BMI が 15.0 以下の人で 2.8 倍となった.癌による死亡,心血管疾患による死亡,その他の原因による死亡のリスクと BMI とのあいだにも,同様の U 字型の関係が認められた.インド人・バングラデシュ人のコホート集団では,BMI が 20.0 以下の人は,22.6~25.0 の人と比較して,全死因死亡リスクと,癌または心血管疾患以外の原因による死亡リスクが高かったが,BMI 高値に関連する全死因死亡または死因別死亡の超過リスクは認められなかった.
全アジア人集団で,低体重は死亡リスクの大幅な増加と関連していた.しかし,東アジア人では BMI 高値に関連する死亡の超過リスクが認められたのに対し,インド人とバングラデシュ人では認められなかった.