The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 15, 2011 Vol. 365 No. 24

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

高リスクの永続性心房細動に対するドロネダロン
Dronedarone in High-Risk Permanent Atrial Fibrillation

S.J. Connolly and Others

背景

ドロネダロン(dronedarone)は,間欠性心房細動において,洞調律を回復させ,入院または死亡を減少させる.また,心拍数と血圧を低下させ,抗アドレナリン作用を示し,心室性不整脈を抑制する可能性がある.われわれは,高リスクの永続性心房細動患者において,ドロネダロンにより重大な血管イベントが減少するという仮説を立てた.

方 法

6 ヵ月以上の永続性心房細動が認められ,重大な血管イベントの危険因子を有する 65 歳以上の患者を,ドロネダロン群またはプラセボ群に割り付けた.第一の共通主要転帰は,脳卒中,心筋梗塞,全身性塞栓症,心血管系の原因による死亡とした.第二の共通主要転帰は,心血管系の原因による予定外の入院または死亡とした.

結 果

3,236 例を登録後,安全性を理由に試験は中止された.第一の共通主要転帰は,ドロネダロン群の 43 例とプラセボ群の 19 例に発生した(ハザード比 2.29,95%信頼区間 [CI] 1.34~3.94,P=0.002).心血管系の原因による死亡は,ドロネダロン群の 21 例とプラセボ群の 10 例に発生し(ハザード比 2.11,95% CI 1.00~4.49,P=0.046),このうち不整脈による死亡はそれぞれ 13 例,4 例であった(ハザード比 3.26,95% CI 1.06~10.00,P=0.03).脳卒中は,ドロネダロン群の 23 例とプラセボ群の 10 例に発生した(ハザード比 2.32,95% CI 1.11~4.88,P=0.02).心不全による入院は,ドロネダロン群の 43 例,プラセボ群の 24 例に発生した(ハザード比 1.81,95% CI 1.10~2.99,P=0.02).

結 論

ドロネダロンにより,重大な血管イベントのリスクを有する永続性心房細動患者における心不全および脳卒中の発生率,心血管系の原因による死亡率が上昇した.ドロネダロンはこのような患者に用いるべきではないことが,本試験のデータから示されている.(Sanofi-Aventis 社から研究助成を受けた.PALLAS ClinicalTrials.gov 番号:NCT01151137)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2268 - 76. )