The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 29, 2011 Vol. 365 No. 26

卵巣癌に対するベバシズマブの第 3 相試験
A Phase 3 Trial of Bevacizumab in Ovarian Cancer

T.J. Perren and Others

背景

血管新生は卵巣癌の生物学に重要な役割を果たしている.血管内皮増殖因子阻害薬のベバシズマブが,卵巣癌女性の生存に及ぼす効果を検討した.

方 法

卵巣癌女性を,カルボプラチン(曲線下面積 5 または 6)+パクリタキセル(175 mg/m2 体表面積)を 3 週ごとに 6 サイクル投与する群と,このレジメンにベバシズマブ(7.5 mg/kg 体重)を 3 週ごとに 5 または 6 サイクル併用し,さらに 12 サイクルまたは増悪まで継続する群のいずれかに無作為に割り付けた.転帰指標は無増悪生存期間および中間解析での全生存期間などとした.無増悪生存期間は最初に per protocol で解析し,その後再度解析した.

結 果

11 ヵ国計 1,528 例の女性を,2 つの治療レジメンのいずれかに無作為に割り付けた.年齢中央値は 57 歳で,90%が上皮性卵巣癌を有し,69%は組織型が漿液性で,9%が高リスクの早期卵巣癌を有し,30%は増悪のリスクが高く,70%は IIIC 期または IV 期の卵巣癌であった.36 ヵ月時の無増悪生存期間(制限付き平均)は,標準治療群で 20.3 ヵ月であったのに対し,標準治療+ベバシズマブ群では 21.8 ヵ月であった(ベバシズマブ併用群の増悪または死亡のハザード比 0.81,95%信頼区間 0.70~0.94,log-rank 検定により P=0.004).ハザードの非比例性が検出され(すなわち,ハザード関数尺度において治療効果が経時的に一貫していなかった)(P<0.001),効果は 12 ヵ月の時点で最大となり,これは予定されたベバシズマブ治療の終了と一致し,24 ヵ月までに低下した.ベバシズマブはより多くの毒性作用(もっとも多かったのはグレード 2 以上の高血圧)に関連した(18% 対 化学療法単独群 2%).最新の解析において,42 ヵ月時の無増悪生存期間(制限付き平均)は,ベバシズマブ非併用群で 22.4 ヵ月であったのに対し,ベバシズマブ併用群では 24.1 ヵ月であった(log-rank 検定により P=0.04).増悪のリスクが高い患者においては,利益はベバシズマブ併用群のほうが非併用群よりも大きく,42 ヵ月時の無増悪生存期間(制限付き平均)は標準治療単独群で 14.5 ヵ月,ベバシズマブ併用群で 18.1 ヵ月,全生存期間中央値はそれぞれ 28.8 ヵ月,36.6 ヵ月であった.

結 論

ベバシズマブにより卵巣癌女性の無増悪生存が改善した.無増悪生存,全生存両方への利益は,増悪のリスクが高い患者においてより大きかった.(Roche 社ほかから研究助成を受けた.ICON7 Controlled-Trials.com 番号:ISRCTN91273375)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2484 - 96. )