The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 29, 2011 Vol. 365 No. 26

卵巣癌一次治療へのベバシズマブの組込み
Incorporation of Bevacizumab in the Primary Treatment of Ovarian Cancer

R.A. Burger and Others

背景

血管内皮増殖因子は,上皮性卵巣癌における血管新生および増悪の主要な促進因子である.ヒト化抗血管内皮増殖因子モノクローナル抗体のベバシズマブは,腫瘍の再発例において,単剤で効果を示している.この研究では,ベバシズマブを標準的な第一選択治療に追加することを検討した.

方 法

二重盲検プラセボ対照第 3 相試験において,腫瘍減量手術を受けた後,III 期(不完全切除)または IV 期上皮性卵巣癌と新たに診断された患者を適格とし,3 つの治療群のいずれかに無作為に割り付けた.全群に,3 週を 1 サイクルとして,第 1~6 サイクルにパクリタキセル 175 mg/m2 体表面積とカルボプラチン曲線下面積 6 を静注する化学療法を行い,第 2~22 サイクルに試験薬を投与した.対照群には,化学療法に加え,第 2~22 サイクルにプラセボを投与した.ベバシズマブ導入治療群には,化学療法に加え,第 2~6 サイクルにベバシズマブ(15 mg/kg 体重)を投与し,第 7~22 サイクルにプラセボを投与した.ベバシズマブ全期間治療群には,化学療法に加え,第 2~22 サイクルにベバシズマブを投与した.主要エンドポイントは無増悪生存期間とした.

結 果

全体で 1,873 例を登録した.無増悪生存期間中央値は,対照群 10.3 ヵ月,ベバシズマブ導入群 11.2 ヵ月,ベバシズマブ全期間群 14.1 ヵ月であった.対照群と比較した増悪または死亡のハザード比は,ベバシズマブ導入群 0.908(95%信頼区間 [CI] 0.795~1.040,P=0.16),ベバシズマブ全期間群 0.717(95% CI 0.625~0.824,P<0.001)であった.解析の時点で 76.3%の患者が生存しており,全生存率には 3 群間で有意差を認めなかった.薬物治療を必要とする高血圧の発生率は,ベバシズマブ導入群(16.5%)とベバシズマブ全期間群(22.9%)のほうが対照群(7.2%)よりも高かった.医学的介入を必要とする消化管壁損傷の発生率は,対照群 1.2%,ベバシズマブ導入群 2.8%,ベバシズマブ全期間群 2.6%であった.

結 論

進行した上皮性卵巣癌患者において,カルボプラチン+パクリタキセル化学療法の期間中および終了後最長 10 ヵ月までベバシズマブを用いることによって,無増悪生存期間中央値が約 4 ヵ月延長する.(米国国立がん研究所,Genentech 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00262847)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2473 - 83. )