The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 26, 2012 Vol. 366 No. 4

乳癌に対する術前補助化学療法へのベバシズマブの追加
Bevacizumab Added to Neoadjuvant Chemotherapy for Breast Cancer

H.D. Bear and Others

背景

転移性乳癌患者において,タキサン系薬剤に,ベバシズマブと代謝拮抗薬のカペシタビンおよびゲムシタビンを追加すると転帰が改善することが示されている.この試験の主要目的は,手術可能なヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)陰性乳癌の女性を対象として,ドセタキセル投与後にドキソルビシン+シクロホスファミドを用いる術前補助化学療法に,カペシタビンまたはゲムシタビンを追加することによって,乳房における病理学的完全奏効率が上昇するかどうか,また,これらの化学療法レジメンにベバシズマブを追加することによって,病理学的完全奏効率が上昇するかどうかを検討することである.

方 法

患者 1,206 例を,術前補助療法として,ドセタキセル(第 1 日に 100 mg /m2 体表面積)を 4 サイクル投与後にドキソルビシン+シクロホスファミドを 4 サイクル投与する群,ドセタキセル(第 1 日に 75 mg/m2)+カペシタビン(第 1~14 日に 825 mg/m2 1 日 2 回)を 4 サイクル投与後にドキソルビシン+シクロホスファミドを 4 サイクル投与する群,ドセタキセル(第 1 日に 75 mg/m2)+ゲムシタビン(第 1,8 日に 1,000 mg/m2)を 4 サイクル投与後にドキソルビシン+シクロホスファミドを 4 サイクル投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.さらに,化学療法の最初の 6 サイクルにベバシズマブ(15 mg/kg 体重)を併用する群と併用しない群に無作為に割り付けた.

結 果

ドセタキセル+カペシタビン群とドセタキセル+ゲムシタビン群では,ドセタキセル単独群と比較して,病理学的完全奏効率の有意な上昇は認められなかった(それぞれ 29.7%,31.8% 対 32.7%,P=0.69).カペシタビンとゲムシタビンはいずれも毒性作用の増加に関連し,とくに手足症候群,粘膜炎,好中球減少症が増加した.ベバシズマブの追加によって,病理学的完全奏効率は有意に上昇した(ベバシズマブ非併用群 28.2% 対 ベバシズマブ併用群 34.5%,P=0.02).ベバシズマブの病理学的完全奏効率に対する効果は,ホルモン受容体陽性のサブグループとホルモン受容体陰性のサブグループとで異なった.ベバシズマブの追加によって,高血圧,左室収縮機能障害,手足症候群,粘膜炎の発現率が上昇した.

結 論

術前補助化学療法にベバシズマブを追加することにより,試験の主要エンドポイントである病理学的完全奏効率は有意に上昇した.(米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00408408)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 310 - 20. )